今日エレベーターに乗った。ドアの左右には 利用回の標示と「開」と「閉」のボタンがついている。私が最後に乗り込んだので「閉」のボタンを押した。いや押そうとした。ふとその瞬間、後ろから誰かの手が出てきて私の手とぶつかった。かなり強い衝撃だった。
「あ、失礼」と私が反射的に謝るのと同時に「すみません」と背後で声がした。 ふり返ると結構ご年配の紳士であった。 なんとなく照れくさい感じで早く目的の階に着かないかなと、ちょっと焦った。
現在のエレベーターは、客が乗り込んだり降りたりすると一瞬、間を置いて自動的に閉まるようになっている。 多分1秒から2秒ぐらいの間だろう。 でもそれを分かっていながら乗り込むやいなや、間髪を入れずに「閉」のボタンを押したくなるのだ。不思議だ。
多分勝手に閉まるのと「閉」ボタンを押したところで、その違いは 0.5秒ぐらいから1秒ぐらいだと思うんだが、どうにも我慢ができない。
私は生まれつきせっかちな人間であるが、この話をしてみたらエレベーターで「閉」ボタンを押す人は意外に多い。 中には最後の客がまだ完全に乗り込んでいないのに見切り発車的に「閉」のボタンを押す人もいる。 自ら反省しつつそのことをぶつぶつ言ったら「それがタイパなんだよ」と当然のように息子が言った。要するに時代は全てにわたって「短縮」という道を突っ走っていると言ってもいい。
コンビニのレジで、現金を支払うのが気が引けるようになったのもそのせいかもしれない。 小銭をポケットから出していちいち数えていたりすると、後ろの客ばかりかレジの人もため息をついているような錯覚に陥ってしまう。カードで「ピッ!」とやるのが当然のマナーといった感じなんだ。
このところチャットGPTの功罪が盛んに論じられているが、人工知能の特性はやっぱり即答性にあるのではないだろうか。 エレベーターの開閉ボタンで他のお客さんと手がぶつかり合うというのは、1秒にこだわる人が世の中にはたくさんいるということだろう。
もうちょっと余裕を持って生きていこうと思っていても、社会全体がそれを許さない世界になってきている。
ほんとにセッカチな人増えましたよね😰「閉」ボタンも分かるけど、目的階が近づくと「開」を連打する人も居ますよね😮💨気を付けなきゃ〜怪我する前にスローライフ👍