【ドラマ】ザ・グローリー～輝かしき復讐～

この１週間私が夢中で 一気見したのは「ザ・グローリー～輝かしき復讐～」というネットフリックスのドラマ。高校時代に凄惨な暴行を受けた女性が、十数年かけて加害者たちに復讐する物語だ。

主人公のムン・ドンウンは、金持ちの同級生グループから殴るけるどころか、ヘアアイロンを全身に押し付けられる暴行を受ける毎日だ。 異変に気づいてくれた養護教諭に一筋の光を見いだすも、加害者は親の金の力で養護教諭を退職させる。

ドンウンは絶望し退学届で被害を訴えるも、担任教師や母親までもがもみ消しに加担する。そう、主人公の不幸は貧しさだけではなく、母親が筋金入りのクズであるところだ。加害者の親から示談金を提示され、暴行をなかったことにされる。

高校も借りていた部屋も追われ、孤立無援の主人公は、キンパ屋や工場で朝から晩まで働き、血の滲むような努力で勉強して大学へ進む。加害者5人を社会的に抹殺すべく長期復習計画を実行していくのだ。

加害者の主犯格は パク・ヨンジン。 親は家族の不祥事をもみ消すのがデフォルトの悪しき富裕層だ。

同じく金持ちの息子チョン・ジェジュンや教祖の娘も、貧しい人を見下す傲慢の権化だ。

この３人の取り巻きが粗暴なのと、上昇志向が強いチェ・ヘジョン、ソン・ミョンオ。 虐げられている二人には忸怩たる思いはあるが、加害者であることに変わりはない。 

悪しき富裕層が、弱く貧しき者を苦しめる構図だ。中途半端な表現で濁さず、悪役は嫌悪と憎悪の対象に徹し、特権階級扱いの宗教の問題も絡めて、成敗する主人公の振り切り感に胸がすいた。「悪役にも実は事情が…」 などの情けなどは一切なし、復讐には共感と説得力しかない。 多分ヒットの背景には、韓国人の悪しき富裕層へのモヤモヤがあると思う。

主人公ドンウンの復讐劇には次第に味方がつく。 DV夫に苦しむおばさんカン・ヒョンナム、父を殺された医師チュ・ヨジュン、そしてヨンジンの夫ハ・ドヨンなど。 ドンウンの復讐に彼らの復讐も折り重なっていく展開で、容赦なく完成度の高いドラマだ。 

ドラマを全編見終えて、思わず拍手をした。