朝鮮学校と共にする人々「モンダンヨンピル」

モンダンヨンピルをご存じですか？
日本にある朝鮮学校を応援する韓国のNPO法人です。
去年までは、たった５００人だった会員が、今年は２０００人にまで膨れ上がりました。

モンダンヨンピルとは、ずっと使って小さくなった、ちびた鉛筆という意味です。この名前には、小さい力をたくさん集めて朝鮮学校を応援しようという思いが込められています。

モンダンヨンピルは、２０１１年３月に起きた東日本大震災で被害を受けたウリハッキョに心を痛めた韓国の人たちが、少しでもウリハッキョの力になりたいという思いで結成されました。当時の代表は、クォン・ヘヒョ、イ・ジサン、アン・チファン。３人とも韓国の有名な俳優、アーティストです。クォン・ヘヒョと聞いてピンと来ない人も、ドラマ「冬のソナタ」でペ・ヨンジュンの先輩役キム次長を演じた俳優と言えば分かるでしょう。

今も映画やドラマで引っ張りだこの大俳優。イ・ジサンは「子供たちよ、これがウリハッキョだ」を作曲した人で、民衆歌謡界の第一人者。アン・チファンは先のブログのリクエストにも度々出てきた有名アーティスト。

２０１１年、彼らは被災したウリハッキョのために、韓国の芸能人やアーティストたちに声をかけて、ウリハッキョのためのチャリティーコンサートを韓国各地で開催し、その収益金１千万円を被災したウリハッキョに送りました。

２０１２年からは、被災地だけでなく日本にあるすべての朝鮮学校を応援し、ウリハッキョの存在を韓国社会に知らせようということで再編され、代表もクォン・ヘヒョ１人になりました。

コンサートには、司会のクォン・ヘヒョを筆頭に、韓国人なら知らない人がいないという国民ソング＜ヒーロー＞を歌うイ・ハンチョル、民芸総（運動系芸術家団体）のソウル理事長で歌手のソン・ビョンフィと韓国ミュージカル界のトップスター イ・ジョンヨルのユニット＜インギガス（人気歌手）＞、子供の頃から神童と呼ばれたKBS国楽管弦楽団副団長でソグム（高音チョッテ）奏者のハン・チュンウン、子供の頃にドラマ＜チャングムの誓い＞の主題歌を歌っていたパンソリ第一人者のパク・エリと世界的で活躍するダンサーのポッピンヒョンジュン夫妻、そして10年前から単独でウリハッキョのためのチャリティーコンサートをやっていた＜ノレペ・ウリナラ＞と豪華なアーティストたちが在日のトップアーティストやウリハッキョの学生たちと一緒に出演します。

また、ウリハッキョ訪問ではモンダンヨンピルの一般会員たちが、授業見学やミニ運動会で学生たちと時間を過ごします。ウリハッキョを訪問した会員たちは先生たちの授業に感動し、子供たちの屈託のない笑顔を見て涙ぐみます。

モンダンヨンピルは、1人でも多くの韓国の人たちにウリハッキョを知ってもらおうために街頭宣伝、朝鮮学校高校無償化除外を反対する日本大使館前でのデモなどの行為だけでなく、韓国のマスメディアに積極的に出演したり、また国会聴聞会の参考人答弁なども行っています。

モンダンヨンピルの会員はごく普通の一般人。韓国人には慈愛に満ちた人が実は多いんです。
彼らの口癖は＜미안하다, 고맙다＞
＜今まで存在を知らなくてごめん。異国で民族を守ってくれてありがとう＞と涙ながらにつぶやきます。私たちこそ＜ありがとう＞なのに…

ウリハッキョの学生や学父母たちはモンダンヨンピルが大好き。
モンダンヨンピルもウリハッキョと同胞が大好きです。

政治的な問題をはじめ難しいこともたくさんあるけど、モンダンヨンピルは間違いなくウリハッキョの子供たちを元気にしてくれます。

（仙）