金弘道の「母拘養子図」である。
母犬が、草に座って遊んでいる子犬二匹を眺めている場面を描いている。母犬が子犬を眺めている表情が豊かで、その慈愛に満ちた仕草が全身に溢れているが、子犬達は遊びに夢中であるようだ。
何の犬種かは分からないが、母犬は毛量が豊かで尻尾は馬のしっぽみたいだ。全身は茶色だが顔のひたいと、胸の辺りは白色で、高貴さが漂っている。 宮中で飼われていた犬なのか、あるいは風流を好んだ両班の家で飼われていた犬なのかは分からないが、子犬たちも健康そうに見える。
しかしながら子犬の毛色は母犬とは全然違い、一匹は真っ白で、もう一匹はまだら模様だ。
実際にこういう光景だったのかはわからないが、絵の構成上、この様な配置にしたのかもしれない。母犬の存在を浮き上がらせるために、違う犬種の犬を配置したのかもしれない。
三匹の犬がいる場所は少し傾斜した丘なのであろうか。雑草が生い茂り、子犬達が遊ぶところも雑草で汚されている。写生的な筆致ではあるが、まるで風俗画を見るようである。
今年のハナのカレンダーに、たしかこの方の絵が乗ってたような気がしたけど👀
えっ、違うかな? 味わいのある絵なんだけどな~💕