10月26日、北区王子にある北とぴあでドキュメンタリー映画「나는 조선사람입니다」の東京上映会が開催されました。
この映画は、民族心を守る同胞たちと、朴正熙時代の1975年に起きた<在日同胞留学生スパイ捏造事件>にスポットを当てたドキュメンタリー映画です。
映画に出てくる元留学生たちは、日本で差別を受け、自分の存在に疑問を抱きながら、自己のアイデンティティーを求めて韓国に留学し祖国―韓国で“北のスパイ”として捕らえられました。
言葉にできないほどの過酷な拷問で自白を強要された挙句に死刑宣告を受け、いつ死刑が執行されるやもしれないという不安と恐怖にさいなまれながら、彼らは十数年間投獄生活を強いられました。
韓国の民主化運動の波に押されて、彼らは1988年に仮釈放されましたが、40年後にやっと無罪が確定しました。
正直、私は徐勝、徐京植の名前は知っていても、スパイ捏造事件については詳しく知りませんでした。しかし、この映画を観てその深刻さが少し理解できました。この事件のせいで青春時代を牢獄で過ごし人生を台無しにされた元留学生たちの怒りと悲しみを考えると胸が詰まる思いです。
ある当事者は拷問について「自分の尊厳やプライドが傷つくので拷問の話だけはしたくない」と語っていました。おそらく想像を絶するものだったのでしょう。このような国家権力による横暴は二度とあってはならないことです。
祖国に裏切られ人生を奪われても、彼らはなお日本で朝鮮人として暮らしています。印象深かったのは、スクリーンに登場する元留学生の表情が穏やかだったことです。苦しみを乗り越えた安らぎとでもいいますか… 壮絶な人生を歩み、本当の苦難に打ち勝った人だからこそ、自分に強く、他人に優しくなれるのだとしみじみ思いました。
映画は、ヘイトや差別に負けない同胞たち、ウリハッキョを守るために頑張る同胞たちの姿を映しながら、同胞にとっての朝鮮は北や南のどちらかではなく、ひとつになった祖国であり、同胞の真の救済もそこにあると訴えていました。
大阪上映11月6日(金)東成区民センター6階小ホール
① 受付14:00上映14:30
② 受付17:30上映18:00
兵庫上映11月7日(土)神戸アートビレッジセンター
① 受付14:30上映15:00
② 受付18:10上映18:40
山口上映11月9日(月)生涯学習プラザ 風のホール
受付18:30上映19:00
広島上映11月10日(火)東区民文化センター スタジオ1
受付17:30上映18:00
福岡上映11月11日(水)コミセンわじろ5階多目的ホール
受付17:30上映18:00