卒業の春…再会の準備を始めよう

おかしな娘のオモロイ話(2)ーお花ガール

長女カレン 2歳。 第二子にして、念願の… 女児!!! 生まれた時から<女の子>に対する私の期待は凄まじく、服はもちろんフリフリレースにピンクにかわいいキャラクターもの。お兄ちゃんのお下がりなんてもってのほか。 どうしても、おしとやかでかわいい<女の子>に育てたくて、 可憐でおしとやかな<お花ガール>になってほしくて 。

母親のエゴは止まらない。 1歳を過ぎるまでは、それはそれは期待どおりにおしとやかで、本当に絵に描いたようなお花ガールだった。

1歳を過ぎた頃から、少しずつお花ガールに異変が見られる。 まず負けん気が強い。 それも、めちゃめちゃ強い。 1月生まれで月齢が低いせいか身体も保育園では小さめ。 なのに、いつもやる気マンマンである。

保育園のお砂場。 隣のお友達の払った砂が少しカレンにかかった。 3倍にして砂をかけ返す。 そこから取っ組み合いのケンカになった。もちろん相手は男の子だ 。お花ガールは負けない。 家でお兄ちゃん相手に鍛えたたくましさなのか、 男の子にタックルを決めてからの取っ組み合い。

先生たちが止める。 男の子が泣く。 お花ガールは謝らない。 お花ガールは泣きもせず、どこか誇らしげな顔。 母親の願いがこもった、ピンクのキティちゃんのトレーナーは砂まみれ。

お迎え時に先生からその話を聞いて母は唖然。 本当に自分でもびっくりするほど典型的な 「いや、ちょっと待ってください先生、うちの子に限ってそんな…」 気がつくとドラマのような決まり台詞を口にしていた

先生が笑いをこらえながら言う。 「本当にカレンちゃんは面白すぎて、私たちも止められないんです。ずっと見ていたく て…」

クラスで先生が「男の子たち~」と呼ぶと、真っ先に「は~い!はい!はい!!」と返事をする子がいる。そして先生のすぐそばまで走ってきては振り返り、「おいでおいで~~ 」とみんなを呼び込む。その子の後ろに、ぞろぞろと男の子たちが並ぶそうだ。 先頭は、もちろんうちのお花ガールである。

そしてこの夏、困ったことが1つ増えた。 虫好きのお兄ちゃんの影響でお花ガールも虫が大好きになった。 「どんな命も大切にするお花ガール」と都合よく解釈する母は、虫のことはあまり気にかけなかった。

そんなお花ガール、虫を物怖じせずになんでも触る。 クラスの女の子たちは誰も虫を触れないのに、うちのお花ガールは、ダンゴ虫を手にうじゃうじゃ乗せて喜んでいる。家ではゴキブリホイホイをのぞくのが楽しみのひとつ。

「お花ガールは、どんな命も大切にする優しい子!!!!」 呪文のように 母は自分に言い聞かせる。 もう、やけくそだよ。

秋は保育園のドングリ拾いの季節。 牛乳パックで収集箱まで作って、毎日保育園のお散歩でドングリを拾っている。 「ドングリの保存の仕方」 のプリントまで保護者に配りながら。 やだな~ドングリって、虫わくんだよなぁ~

お迎え時。 「今日のお散歩で拾ったドングリが下駄箱に入っています!」 うわぁ~要らないんだけど~ 「でも、カレンちゃんはドングリの代わりにセミの抜け殻を集めたので、ドングリが1つも入ってないんです…。 収集箱にセミのぬけ殻がうじゃうじゃ入っていたので、カレンちゃんはセミの抜け殻のお持ち帰りです!」 「は?」先生は必至で笑いをこらえている。

玄関口の下駄箱の側に 1人ずつビニール袋が置かれていた。 それぞれ、大量だったり、少なかったり。 本当に拾った分だけ置かれている。 そこに、1つだけ黄金の、ひと際大きな収穫袋が。ものすごく立体的な何かがビニール袋に入れられている。 そのうえ中身がこっちを見ている…絶対に要らなかったドングリが、ものすごく、欲しい!!! 誰か、これと交換して! !

そして、こんなにも律儀に「子どもが拾ったもの」をお持ち帰りさせてくれる保育園。 個性尊重しすぎでしょ。なんてステキな園なんだ… お花ガールはうれしそうだし、なんだか自慢気。 勘弁してちょうだい

突然、お花ガールが 「あけて」と言いだした。 セミの抜け殻を? 今? ここで?しかたなくビニール袋を開ける。お花ガールは、そーっと1つずつ手に取って自分の服に付け始めた。 しかも、抜け殻のつめの先と服の繊維がよく引っかかって、 びっくりするほどうまくくっつく。
「バッジ」 あーあ、今日初めて着たマイメロディの服が…

それから毎日、お花ガールは バッジを付けて帰る。 ドングリを持ち帰ったことはまだ一度もない。

朝夕が冷えてくる秋の暮れに セミはいなくなった。 「カレンちゃん、今日はドングリ拾いましたよ!」と先生が言うものだから、 おっ!と思った。 「でもセミ、、ないねぇ~、、って寂しげでしたよ」

そういえば、最近お花ガールの後ろ姿がなんだか寂しそう。 置かれたビニール袋には、見向きもしなかった。 あんなにも欲しがっていたドングリを、母はソッコーで捨てた

帰り道に木を指さして、お花ガールはもう一度言う 「セミ、ないねぇ~」 「うん、いないねぇ。また暖かくなったら、セミさん、出てきてくれるからね。 早く夏が来てくればいいね!! 」来年は抜け殻じゃなくて、セミ取りに挑戦させてみよう。ほんのちょっぴり楽しみかも。

今から冬が来るというのに、来年の夏をモーレツに待っている じゃじゃ馬なお花ガール、私の可憐なカレンちゃん。

4 COMMENTS

男だらけ

こういう面白くて楽しそうな女の子が欲しかったな~、みんな男の子ばかりだから家族に女の子が居るか居ないかで家庭の雰囲気ってずいぶん変わってくるんだろうなって思います。あーでもいたな一人、もう枯れかけてますが…

「ふつう」

こういう娘さん羨ましい。
何故かって?
子供3人の真ん中が娘。
上と下の息子達は少し黙ってろ。と言うぐらいよく喋るが娘はほぼ何も喋らない。
声が聞きたくて色々な質問をしてもも答えは全て同じ一言。
「この肉美味しいだろ?」
「ふつう。」
帰ってきて元気が無いから「疲れてんの?」と聞いても「ふつう。」
とにかく何を聞いても答えは「ふつう」。
今時の若い娘さんてこれが普通ですか?
オモロイ娘が羨ましい‼️

H

枯れかけてる・・・💢‼️なぜ枯れかけた?ちゃんとお水や肥料あげてる?せっかく生え始めた新芽摘んでない?奥さんにあやまりましょう🤣🤣

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