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おかしな娘のオモロイ話(20)ーよっちゃんのオモニ2

よっちゃんのオモニは他人にズバズバものを言う性格だから、地元のニョメンのオモニたち(特に 若い世代)にはだいぶ恐れられている。支部主催の忘年会や夜会などの料理は、よっちゃんのオモニが総指揮者となって他のオモニたちを動かす。まさに女帝。

ある忘年会の日、ニョメンの若いオモニたちが集まってよっちゃんのオモニの下で料理を準備していた。私は特に知ってるオモニもおらず、盛り付けられていく料理の側で黙々と食器を拭いていた。若いオモニたちは、みんなよっちゃんのオモニに怒られないかと戦々恐々。盛り付けやサラダやムンチなどを皆で協力しあってひとつひとつ仕上げていくのだが、何しろやり方をその日に習って仕上げる付け焼き刃なので一朝一夕でうまくいかないのは当たり前。

よっちゃんのオモニが私のそばにやって来た。自然と若いオモニたちが私から遠ざかってい く。よっちゃんのオモニが盛り付けられた料理をチェック、すかさず厳しい指摘が入る。

「あんた!なんなの?このお餅!形が崩れてるじゃない!ちゃんとしな さい!」「それやったの私じゃないけど…」平然とタメ口で返す私に周りの方がハラハラ。

すると、向こう側で若いオモニが手を上げた。「ミ、ミアナンミダ…それ仕上げたの私です…。ミアナンミダ」めちゃくちゃ声が小さい。「なに、盛り付けたの、あんたじゃないの?」よっちゃんのオモニもめちゃくちゃ声が小さくなった。「違うってば。あのオモニが手を上げてんじゃん。」

よっちゃんのオモニはすかさず声色を変えて、若いオモニに向かって丁寧に言い直す。「全然大丈夫よ。てっきり私はこの子がやったのかと思って… これで十分よ、十分…」言い終わるやいなや私にささやく。「てっきりあんたかと思って強く言っちゃったじゃない」「知らないよ(笑)」

私は昔からよっちゃんとセットでよく怒られていたからもう慣れすぎて、よっちゃんのオモニはちっとも怖くない。でも他の人からしたら相当怖いのだろう。いつかオモニたちのめんどくさいゴタゴタに巻き込まれそうになったら、よっちゃんのオモニの名前を出 して、心置きなく虎の威を借りようと思う。