【健康】サプリメントの賢い飲み方

特定成分が濃縮された錠剤やカプセルなどの健康食品サプリメント。その規模は毎年増え、2021年に初めてサプリメント市場は1兆円を超え、今年もさらに拡大する見通しだ。でもサプリが体にいいというが、具体的にどんなサプリが良いのだろうか。

中高年の女性がサプリを摂りたがるのは、更年期以降に様々な体調の変化が起きるからだ。特に女性にとって、更年期初期の火照りや発汗などのホットフラッシュは、その後の高血圧や動脈硬化、脳卒中などの重大な病気になる可能性がある。

どのサプリも、更年期の私たちにとっては良いとされるが、取り過ぎはかえって健康を害すので、指示された分量を守るようにしたい。忘れてはならないのはあくまで健康のベースは食事であって、サプリメントは文字通り「補助」という点だ。薬との危険な飲み合わせもあるため、薬を常用している人は自己判断でサプリメントを飲まず、必ず医師や薬剤師に相談した方が良い。

中にはサプリメントを食事代わりにする人もいると聞く。そうした習慣がある人はすぐやめて、自分の歯で物を噛む癖をつけることが大事だ。保管方法についても直射日光を避け、常温で風通しのいい場所に保管するのが原則だ。しばらく飲まないで、忘れかけた頃にサプリを飲み出す人もいると聞くが、賞味期限などにも注意をしたい。

最近目にするのは「機能性表示食品」だ。ことさら機能性を謳うＣＭも多いが、これはメーカーが科学的根拠を示しているだけで、国が安全性を保証するものではないということを理解する必要がある。

近年、女性に人気の「酵素サプリ」も誤解が多いという。酵素は体内で起こる化学反応に必要な重要なたんぱく質だが、酵素を飲んだからといって、体内の酵素が増えるわけではないのだ。認知症やアルツハイマー病の原因となるアミロイドβを減らすという触れ込みのサプリなんかも発売されているが、サプリを飲んだからと言って、認知症を治せるわけではないのだ。