会う人々に興味を持ち誰彼かまわず話しかける我が愛しのマー坊。本当におねえさんが大好きで、年上の女性を見るとうれしくて近づいて話しかける。たとえ、それが私より年上のおばさんでも。
マンションの駐輪場で買い物帰りのおばさんを見かけたら一目散に駆け寄る。「ねえ、おばさん、どこに行ってきたの?」「お買い物よ」「お買い物? 何買ってきたの? 袋に何入ってるの? 1人で行ってきたの? 」「ボク、忙しいからまたね」
幼児がたどたどしい口調で話すので、おばさんも最初は相手にしてくれるのだが、芸能リポーターさながらの質問攻めで最後は殆んど逃げるように去っていく。
彼の被害者は1人2人ではない。「マー坊、誰にでも話しかけるのやめなさい」
「なんで?」「恥ずかしいじゃない」「だって、ボク、たくさん話したいんだもん」悪いことをしたわけではないので叱ることもできない。
マンションに入っていくマー坊の後姿を見ながら、自分の子供の頃と比較する。(マー坊はダンナに似たんだわ、きっと)私似だなんて絶対に認めたくない。