11月中旬、アガシデビューのその日の午後6時頃、チヨンはママと店長の3人でミーティングを行っていた。お水の世界独特のルールみたいな事をママは諭すように話した。仕事しながら慣れるしかないか。
店長は「하나양에게는 동반이나 지명 노르마는 없어요. 접대업이니 실수 없도록 조심하고 가게운영에 협력적이면 돼요. 다만 다른 아가씨들의 눈이 있으니까 처신은 잘 하세요.」と言いながら給料はそっちの担当部門からの支給だが、集客に貢献すれば、店としても考えると付け足した。
20人も入れば満席になる店内で、落ち着いた装飾も悪くない。午後7時に出勤。8時から0時までが営業時間。すでに浅草界隈に住居を移したから、出勤と帰宅も含めて正味6時間程度の束縛時間だ。意外と楽勝かな?
ミーティングが終わるやいなや、チヨンは頭の中ですぐに時間割作成に着手した。起床は正午頃にしてブランチ。その後スポーツジムに通って汗を流して酒をぬく。おやつ程度の夕食を済ませてお化粧と髪のセット、そして夜の世界へ。いずれは가게と月極契約してる美容室も利用しようと頭の中でチェックを入れる。
工作員転身がまだかと不規則でおざなりだった覗き見も、新たな時間割の隙間に入れるのを忘れない。辞令時にその特殊ソフトの使用許可( 申請と承認が前提)が付いてきた。東北のおっさんに対するそれは承認済みなのか言及すらなかった。ユミがあの晩に言っていたとおりだ。
最近の不規則なウォッチでも김성남の日常に特に変化は見当たらないようだ。ただ見る度にタバコを吸ってるのが気がかりだけど。 (나이도 많을텐데 백해무익한 담배 끈고 건강 챙겨)と、心のお節介もしたり。
でも彼女はすでに大きなミスを重ねていた。そのせいで工作員の仕事がその一歩からデンジャラスゾーンに踏み込んでるのを、彼女は認識すら出来ない。
ユミの訪問後からこの時まで覗き見が疎かだったのは仕方ないにしても、せめて当時の日課に沿って自動起動にセットアップして、数分間でも録画録音するくらいはしておくべきだったのだ。この間チヨンが見なかったスマホの向こう側では、すでに多くのことが成されようとしていた。覗き見起動が覗かれを連動するため、彼女の顔はさらされて久しいし、彼女の身辺調査も間もなく終わる……
続く
김성남とは何者?
気になってしょうがないんですけど。
作家がストーリー展開上妄想で作り上げた人物です。あくまで小説の中の話ですぅ〜
ありそうでない、ないようでありそうな(笑)