卒業の春…再会の準備を始めよう

지영이는 보았다(第2弾)その6

晩秋の暗がりが街を覆うだいぶ前から、上野仲町通りにはあらゆるネオンが灯り、その妖しい灯火は仕事帰りの人々を手招きする。そして多様な食事処や居酒屋の客が一回転する頃に、アガシたちはスタンバイする。その中にお水の仕事に合わせた短めのスカートにナチュラルよりは濃い夜のメイクを施したチヨンことハナもいる。

ハナは가게で数日仕事をしながら、この業界の厳しい現実に触れる。アガシの給料は大した額ではない。同伴や指名などで売上にあがった分の歩合が加算される仕組みだから皆必死のようだ。

(사는게 힘든건 어디서나 마찬가지네.)

ちょっと不思議なのは、ハナの標的となりうる総聯系のお客たちだ。〈품〉にも彼らは来ているが青商会や専従イルクン御一行様に対しては割安料金プランみたいなのがあって、席料は通常の3分の2程度でボトルキープ料も割引があるらしいし、実際そうだと分かった。彼らが通う上野の他の가게でもそうしているらしい。

彼らはグループでの来店が多いため、指名や同伴は望み薄かな。隠れたもう1つの仕事につなげるのは難儀かなとハナは思う。가게で彼らは日本と韓国のチャンポン言葉を愉快に話すし、歌や踊りも達者だから、アガシたちはその席に着くのを喜び無邪気に楽しんじゃっている。ハナもそうだが。

でも想定外なのは、デビュー数日にもかかわらず〈품〉の常連さんや在日の客はハナを見て「あの新人さん可愛いね。」とか「ママ、いい子雇ったね。」とザワついたり席に呼んだすること。アガシたちは「ライバル現る!」と警戒するし、自分の客を取られまいとハナに見えないバリヤーを張り、何かと牽制してくるからやりにくいし先が思いやられる。

そんな雰囲気を察したママや店長は、他のアガシたちをなだめすかし、ハナには「모른척 해서 그냥 하던대로 해」と気を使うから居心地が悪くなったり。

時にハナはあのママの가게でご一緒した、お気楽でオモロイおっさんたちを思い出したりする。おっさんたちが〈품〉に来ることがあるのだろうか?夜の街で偶然会うこともあるかな、東北の김も一緒だったらもっとイイのにと願ってしまう。でもチヨンがハナとして彼らとここで会う日はそう遠くはない!

その頃、東北の김は届いた宅配便の小さなダンボールを開け中を確認していた… …

          続く

1 COMMENT

ジェームズボンド

ガンバレ!チヨン‼️
あれ?チヨンは敵なの?味方なの?
分からなくなってきた。

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