卒業の春…再会の準備を始めよう

지영이는 보았다(第3弾)その6

(最近覗き見が減ったなぁ。)
ここ数日は1日に2、3回程度だし、電話も無いので김は落ち着かない。同伴話のあとの行く行かないのやり取りがまずかったかな?電話の盗聴に気付いたかも知れないが、ハナから電話が来ればその心配は消えるし。お客と同伴してハナが変わったかなと想像すると、居ても立ってもいられない。ジジ恋はノンストップでコントロール不能と言われてるから김もそうなのか?だとしたら、してやったりではなくて、自らドツボにハマってる体だ。

김はハナに会いに行く方法を考えている。〈待機してろ〉は指令に違いないが、自分の用事で東京に出掛けることはありだ。バイトも弔事で休んだ分を埋めたいと言ってくれてるから、明日にでも東京行きは可能なのだ。でもハナのスマホが盗聴されてる前提では会う約束などできないじゃん。カレンダーを見ていると名案が思い浮かんだ。(確か、クリスマスまではどの가게もパーティー券を売ったり同伴のノルマがキツい。25日に行ってサプライズ再会だ!)…

〈叙々苑〉での会話は佐藤昇の自慢話ばかりでウンザリだった。手広く展開する貿易で幾ら儲けたの、着ているスーツの生地がイタリア製だの。お前は顔も舶来品かとツッコミたい程だ。佐藤を連れてきた松山の表情も硬いし、ハナに目線でゴメンと謝っている。ハナがどういった品を扱ってるのか聞くと佐藤は「まぁ色々とね」と返すだけで埒が明かない。

〈품〉に入った後も席に付いた他のアガシと同じ自慢話を繰り返してるからたまったもんじゃない。そして「お先に〜」と言って1人帰ってしまった。見送って席に戻った松山は開口一番「ちっ、仕事関係でなければ殴ってやりたい」と吐き捨てる。 ハナには「イヤな接待に付き合わせてすいません」と平謝り。ハナが労うと「彼がやってる貿易はダディーな部分が多い」と言いながら愚痴るように小声で続けた。

「(中国)国境の川の向こうと良からぬ事をしてるみたいで」と溜息交じり。ハナは(ビンゴ〜!)と心で狂喜。予約したカラオケ曲が鳴って話は中断し、松山は席を立ってマイクを握った。

♪あなたに〜あいたくて〜あいたくて〜眠れぬ夜は…♫
ハナは初めて聴く曲だった。その歌詞がジンワリと心に沁み渡る。김に会いたい……

          続く