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ジンスーMy love ⑪

(どうせなら日暮里駅前にある、テイクアウトの天丼か牛丼がイイんだけどなぁ。)
ジンスは、ミミがどんな弁当を買ってくるのか気になっていた。でも電話から一時間以上が過ぎても彼女は現れない。空腹感でイライラしてきたその時、ピンポンとチャイムが鳴る。

ドアを開けると、ミミがハァハァと息を切らしながら立っていた。ノーメイクでも可愛いいじゃんと、ジンスは思う。ミミは「駅でこれ買ってタクシー乗ったけど기사가 길을 틀려서 헤맸어. 오빠, 미안」と、申し訳なさそうに言いながら袋を差し出した。天丼だったので、ジンスはナイスチョイスと喜んだが、一つしか入っていないからミミの顔を見る。

「電話する前に食事したから私は食べない」とミミ。でも彼女の表情はこわばっていて様子が変だ。「何かあったの?」の聞くとのどが乾いたので水分補給させてとのこと。事務所には飲みかけのペットボトルのお茶しかない。ジンスは「外のコンビニで買ってくるよ。뭐 마실래?」と聞くと「冷たいコーヒー」と彼女はリクエストした。

そのまま出ようとしたらミミが「오빠,鍵」と、机の上にあったキーホルダーを投げてよこすので、彼はそれをつかんで事務所を出た。コンビニのカップコーヒーを買って戻ったら、ドアがロックされてたので、彼は鍵穴にキーを差し込んで開けた。「チャチャ〜ン♪」とミミの声。彼女は立ったままこちらを真っすぐ見ている。ジンスは「えっ、なんで!?」と驚き目を見開いた。ミミは全裸だった。面食らったとかの次元ではない。雷に撃たれたことなどないが、感電したような衝撃波がジンスの全身を駆け巡る。

彼は立ち尽くし後ろ手にドアのロックをかけようとするが上手くいかない。驚愕顔のジンスにお構いなく、彼女はサッと体をひるがえし後ろ姿をさらした。エロい?違う。優美?違う。神々しい!正にそんな思いをジンスは抱く。それは彼にも備わっている雄の本能すら無力化してしまう。

ジンスが何も言葉を発せないので彼女は「오빠 왜 그래?가게でゲームして負けたから」と言う。彼女の視線が(さぁ貴方はどうする?)と挑みかかってるように感じる。

「わかったから服を着ろよ。」
ジンスはやっとこの言葉を発したが、声が裏返っていた。ミミが脱いだ服に手をかけたので、ジンスは何故か後ろを向いた。「다 봤는데 왜?」と、ミミはクスクス笑い出した。それもそうだ。ミミが服をまとった頃合いにジンスは振り返った。正にその時携帯の着信音が鳴る。

ミミが目で「通話どうぞ」と促すのでジンスは電話に出た。妻だった。「帰りにチューブの練りわさび買ってきてね」と言うので「わかったよ」と応じて通話を終えた。一気に現実に引き戻された気分だ。でも今ここで起きた事も紛れもない現実だ。この異様な状況をどう取り繕っていいのかと、ジンスはあたふたするばかりだ…

         続く

1 COMMENT

あなたならどうする〜🎵🎵

おいおいおい…💦

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