ミミから連絡があり、日本に戻ったとの事。事務所での<裸事件>以来、彼女と会ってないからジンスのスケベ心が覚醒する。
「수고했다. 그리고 반갑다야. 짐 풀고 안착이 되면 만나자. 가게の同伴でもいいしね」と労うフリ。ミミが「고마워. 하지만 난 가게일 치웠거든」と言うので「他店に移るの?それとも仕事を変えるとか?」と聞いた。
「그래 오빠, これから大事なお仕事に集中するの。会ったら話すね。」
通話を終えてジンスは大事な仕事って何だろうといぶかしんだ。가게の아가씨を辞めて普通の勤め人に転身するのかな?
ジンスには自分なりのルールがある。お水の女性との絡みは浮気で、そうでない女性との関係は不倫と勝手に規定している。浮気は火遊びだからサラッと、不倫は危ないから気をつける程度の認識しかない。
현주とはプラトニックの領域を出てないから別枠扱いだ。ミミは아가씨じゃなくなるから今後の関係は不倫ジャンルかと、どうでもいい事に彼はこだわったり。가게に協力する必要もないし同伴もないから、コスパがいいかなとほくそ笑むから、所詮ジンスも俗物なのだ。でも、うまい話には必ず裏があるモノだ…
장호はデンジャラスゾーンに踏み込んでしまったようだ。彼は アラサーで宅建に合格し、現在まで親類の不動産屋に勤めている。変動はあるにせよ高給取りだ。夫婦関係も円満だ。ところが、ここ最近は生活リズムが変わって奥さんが疑心暗鬼になってるらしい。ジンスの妻と通話した彼の奥さんがそんな話をしてたと聞いた。(アクセルとブレーキを巧みに踏み分けろよ)とジンスは思う。
장호は浮気性ではない代わりに執着系で、気持ちが他に向くと危なっかしい面がある。ジンスは彼に電話して「お前なぁ、奥さんが疑ってるぞ。ナナとちょくちょく会ってるのか?」と問いただしてみた。彼は「えっ、泊まったりしてないよ。会ってもちゃんと帰ってるし」と要領を得ない返事をする。「それに、ナナはビザ切れになるからもうすぐ帰るしね」と言い訳している。
ナナがいなくなるのはある意味吉報だと思いながら、ジンスは「頼むからハマり過ぎるな」と釘を刺した。そう言いながら(俺も言えた義理じゃねえし)と己を省みる。ジンス自身は、ミミからのお誘いを今か今かと待ってるから全く質が悪い。
それから数日が過ぎた頃、ジンスの携帯にミミからの着信があった。「오빠, 내일 오후2시쯤 시간 어때?」と聞くので、ジンスはサッと予定表をチェックして答えた。「괜찮아.어디서 볼가?」、「大久保駅에서 만나. 도착하면 연락해.내일 봐」と通話は終わった。ジンスは、ついさっき장호にした話などすでに忘れている…
続く