つい先日、メガバンクで紙の通帳を有料化するという、衝撃的なニュースに接しました。みずほ銀行は1月から紙の通帳の有料化がスタートし、70歳未満の人が新規口座を開設した場合や通帳を新規発行、繰り越した場合には、1冊につき1,100円の手数料が発生します。
三井住友銀行でも、4月から新規口座の通帳は、年間550円の手数料が引き落とされるようになりました。三菱UFJ銀行は通帳発行に費用は発生しないものの、口座管理手数料という形で、2年以上の入出金がない口座から年間1,320円を徴収することを発表しました。
預金業務が儲からない銀行
今までの銀行はお金を集めて集めたお金を貸し出すことで、利ザヤで儲けるビジネスだったのですが、預貸率の低下や低金利のせいで儲からなくなってしまった。お荷物となっている人件費、紙の通帳やATMをどんどん減らして、経費削減を図りたいというのが本音なんでしょうね。
実際、その兆候は都市のあちこちに現れています。三菱UFJ銀行では2023年度末までに店舗数を40%ほど減らす計画を発表し、支店の統廃合が活発化しています。他の銀行でも、店舗の小型化や事務行員の人員配置の見直しなどが進んでいます。
ここ1~2年で、近所の支店やATMが無くなってしまったという経験をした人も多いはずです。事務業務のオートメーション化やフィンテックの隆盛などによって、銀行の大改革はもはや待ったなしの状態なんです。
ムダに気づいたユーザー
またユーザー側からも新型コロナ禍で変化の兆しが見えています。コロナ以前は銀行の窓口に並ぶことが当たり前だと思っていましたが、三密の回避が叫ばれるなか、それでも銀行に行列を作る人たちの姿を見ると、今では違和感を覚えてしまいますよね。ATMの操作にしても、誰がベタベタ触ったか分からないタッチパネルに触れるのってよく考えたら怖いですよね。
そんな中、近年ネットバンキングを利用する人が増えている傾向にあるといいます。メガバンクでもコロナ禍以降に、利用者が急激に伸び、特に中高年女性の新規利用者が増えているそうです。
コストを減らしたい銀行側と、便利さに気づいた利用者側。さらには非接触サービスの需要の高まりで、キャッシュレス決済の浸透がそれを後押しする形で、急速にデジタル化が進んでます。そうなると通帳やATMが無くなっていくのは当然の流れといえます。
アメリカではもう10年以上、ほぼ紙の通帳が使われなくなりました。今の高齢者が若かった時代に使われていたくらいです。アメリカでは子どもでもデビットカードを発行してもらえますし、使うとすれば子どもが初めて自分の口座を開く際、お金の出入りを学ばせる目的で、例外的に発行してもらえるところもあるみたいです。
時代に取り残され無いために今から始めよう
時代の流れは、紙の通帳は環境的にもよくない、盗まれたりでもしたら名前も口座番号も預金残高も全部漏れてしまうから、セキュリティ的にも不安、そしてコストも掛かるのです。ハンコ文化と一緒に日本でも5年後には紙の通帳からの脱却が大きく進み、10年後には誰も利用しなくなると予測してる学者もいます。
またこれから先、銀行の店舗サービスは間違いなく不便になっていきます。それを回避するためには、今からネットバンキングに早く慣れて、自分自身の生活のデジタル化を進めることが重要です。
最初は抵抗感があったり、オンラインでの操作に慣れずに大変かもしれませんが、結果的にそのほうが時間の節約になって、得する未来が近い将来、必ずくるはずです。時代の波はもうそこまで来ています。今からでも決して遅くないのでネットバンキングに今からチャレンジしてみるのはいかがですか。