街ぶら探訪～山手線沿線㉙かつて乗換専用駅だった街―西日暮里

今日は山手線の中では2番目に新しい駅、西日暮里周辺を歩きます。日暮里駅から500mしか離れていないこの駅は、人々の混雑の解消と、交通の利便性の向上のため、1971年に作られました。

常磐線と千代田線乗り換えの専用駅として作られたんですね。今日は駅の西口から散歩します。まず近くの公園に向かいます。

西日暮里公園

JR西日暮里駅のすぐ上にある西日暮里公園です。

木々が生い茂り、昼間でも少し暗く感じます。街の喧騒も忘れるほど静かなところです。

このあたりの台地は眺めがいいことから、江戸時代にはひぐらしの里と言われ、花見など、人々の憩いの場として親しまれていました。

諏方神社

この周辺は縄文・弥生時代のむかしから、人々が生活していた景勝の地としても有名で、安藤広重の「名所江戸100景」にも登場します。

江戸時代より、四季折々の景色を楽しむ人々で賑わっていた「諏方神社」は、この地域の鎮守として、崇められていました。今もなお、地域の人々の総鎮守として健在です。

富士見坂

現在、東京の都心部には16ヶ所の「富土見坂」と呼ばれる坂があるそうです。ここ西日暮里にもありますね。

「関東富士見100景」にも選ばれ「東京富士見坂」として選定されましたが、今はビルが行く手を遮ってしまったようですね。

高村光太郎の記念碑

高村光太郎の出身校である、第一日暮里小学校の入口に、記念碑がありました。高村光太郎直筆の書の記念碑と、フクロウの彫刻がともにあります。

高村光太郎は日本を代表する彫刻家であり画家でもありますが、今日では『道程』『智恵子抄』などの詩集が著名で、日本の教科書にも多くの作品が掲載されていますね。今度あらためて読んでみます。小腹がすいてきたので駅に戻ります。

アルハムブラ

西日暮里駅のホームからも見えるアルハムブラ。

ランチ営業をしていたので、思わずぶらっと入ってみました。創業は1971年。本場のスペイン料理と、フラメンコライブの店として愛されてきた、老舗のスペイン料理専門店です。

高校卒業当時、同級生と良く集まったお店です。生まれて初めて食べたパエリヤや、スペイン風オムレツがとても美味しくて…(笑)　懐かしくて泣きそうになりました。

今度はフラメンコを本格的に習おうかしら…（笑）。

日暮里繊維街

おいしいランチを堪能したので、今度は東口方面を散歩します。

日暮里繊維街は日暮里駅東口から、日暮里中央通りを中心に、両側約1キロにわたり、生地織物の店が軒を連ねる、繊維の商店街です。見てるだけで楽しいです。

夕やけ小やけの記念碑

♬夕焼け小焼けで日が暮れて　山のお寺の鐘が鳴る　お手々つないでみな帰ろう 烏と一緒に帰りましょう♬

口ずさんだことのある童謡「夕焼け小焼け」は、童謡詩人・中村雨紅が第二日暮里小学校へ教師として赴任し、第三日暮里小学校へ転勤した後の1919年に作詞した作品です。

現在の荒川区立第二日暮里小学校には、この童謡にちなんだ記念碑があります。夕焼けで赤く染まる町を子どもたちと手をつないで帰る雨紅の姿が目に浮かびますね。

さあ、夕焼け前に帰りますか～。