【思い出】浅草の靴屋で

若い頃、浅草に嫁いだ姉さんのお使いに、何度か浅草に出向きました。その際に今の「ホッピー通り」の近くに、いかにもその筋の人が好きそうな洋服屋さんや靴屋があったんだ。知っている方も多いと思います…。

胸に大きな「馬🐴」や「犬🦮」の絵が描かれているトレーナーや、肩口にピカピカの刺繍が施してあるジャンパー✨、いかにもという洋服が所狭しと吊るされ、ガラス越しには背中に龍が舞っている高そうなスーツ🐉なども展示してあった。

その近所で特に目立つ靴屋の前を通りかかった際に、派手だけどカッコいい靴を発見してしまった👞✨何度も行ったり来たりして、勇気を振り絞って店内に入って試し履きすることにしたんだ。

やはり場所柄、少し怖そうな年配の店員がパイプ椅子から立ち上がり「らっしゃ～！」とぶっきらぼうにご挨拶。「あのウィンドーに飾ってある靴を見たいんですがぁ～💦と私の方が恐縮してしまう。すると「おにぃ～さん、サイズはいくつ？」と聞くので、「２５．５です！」と。

すると老店員「あっそう～あれは今２５センチと２６センチしかないんだよねぇ～」とぶっきらぼうに言うので、おずおずと「一度履いてみても良いですか？」と、靴を試し履きさせてもらうことにした。すると、けだるそうに棚の中から２５センチと２６センチの二つを持ってきてくれた。

老店員は「２６センチがちょうどいいと思うよっ！」と履いてもないのにそれを勧める。相変わらず椅子から立ち上がろうともせず、私が靴につま先を突っ込んで、靴ベラをさしてグイっとかかとを落とすと、老店員は顔を私の靴の方へ近づけて、指をさしながら「ピッタシッ！」と掛け声をかける！

しかし履いた感触はぶかぶかで、つま先を押すと１センチほどへこむ。「少し大きいなぁ～」とあきらめて２５センチの靴をお願いすると、やる気がなさそうに「おにぃさん、こっちは小さいよっ！」と靴を渡された。つま先を突っ込んで靴ベラを添えてかかとを落とそうとしても、やはり小さくて入らない。すると老店員は「ほらねぇっ、小さいでしょっ！」と。

「もう一度２６センチを履いてみても良いですか？」とそちらにつま先を突っ込んで、かかとを落とすと、また老店員は顔を近づけて、足が入ると同時に、「ピッタシッ！」とさらに大きな声で掛け声をかける。

思わず、そのしぐさの滑稽さに吹き出してしまい、老店員の顔を見つめると、にやけ顔で「ほらっ、ピッタシでしょう！！！👍」と。ぶかぶかだったけど、その老店員のしぐさがやけにウケてしまい、購入してしまった👞✨　

後日、中敷きを２枚かませて、ぶかぶかのまま大事に履き続けました。しかしその靴に足を突っ込んでかかとを落とすたびに、老店員の「ピッタシ！」の掛け声がよみがえって、あ～あ、老店員の魂が宿ってしまった靴だなぁ～とニヤけてしまう💦💦💦　

本当にたくましい街です～アサクサは～💞💞💞　そう言えば、２８期にも浅草出身が大勢いますね～🕶　彼らも、とてもたくましいですもんね～💪。