その時…デスクが後ろから近づいてパソコンの画面を覗いた。「お前ら…何をしてるんだ?」ミスとジホの顔を見ながら言った。「いえ、黒幕を探して…たら…」と言うジホを見ながらデスクはパソコンのスイッチを切った。
「デスク…な…なにを…」と言ってミスはデスクを見上げた。机に広げた資料に目を落としたデスクはフッと笑いながら黙って畳んだ。そして「お前ら…良くここまで調べたな。正直驚いた。でも…ここまでだ。ご苦労だった」と言った。2人は顔を見合わせて再びデスクを見た。
「な…何で…でも…」「いや、いいんだ。俺達は何も見てないし何も知らない」「え?で、でも…」ジホは戸惑いながら言った。「デスク、それは何かしらの圧力ですか?」とミスが食い下がるがデスクは「とりあえずここまでだ」と言うと釘を刺す様にミスとジホの顔を見た。
そして部屋から出ようとして「あ、この前、金 ハヌルを見かけないとか言ってたな。その線を探ってみろ。それから…いいか。この件はここで終わりだぞ。今日はもう帰れ」と念を押してデスクは出て行った。2人は呆然とデスクの後ろ姿を見送った。
次の日、ミスはジホとテレビ局に向かった。「でも何ですかね?昨日のデスクの言葉…」ジホは納得がいかないのかぶつぶつ言ってる。ミスは資料を見ながら「その件は置いときなさい。デスクとの話はついていないけど、仕事はこなさないとね」2人は金ハヌルの動向を調べる事にした。
ミスは長年培った人脈で、制作部の知り合いに連絡して、テレビ局の一階にある喫茶室で会う事にした。テレビ局に着いた2人は一階ロビーの奥にある喫茶室に向かった。喫茶室と言っても特に仕切りもなくテーブルとソファが置いてある質素な作りである。
奥まった テーブルでコーヒーを注文して待っていると、ティシャツにジーンズ姿の女性が歩いて来た。「チュンミ、こっちよ。」とミスが声をかけるとチュンミと呼ばれた女性は顔を綻ばせながら近づいて来た。
リスの様に小さな顔にショートカットが良く合っている。銀縁メガネの奥の大きくない瞳がキラキラ輝いている。真っ直ぐな鼻筋の下の薄い唇が魅力的だ。「忙しいのにごめんね。久しぶりね。元気?」と挨拶すると「ミス오랜만、どうしたの?急に」と笑いながら握手をしてジホを見た。
「あ、私の同僚のジホ君。ほら挨拶して、私と同い年でここの制作部のやり手のチュンミさんよ」と言うとジホは頭を下げた。軽く会釈をしたチュンミは「それで、どうしたの?」と改めてミスを見た。
「金ハヌルの事で聞きたいんだけど…」とミスが言うと一瞬チュンミの表情に緊張が走った。その表情をミスは見逃さなかった。ミスはチュンミの目を見ながら「何かあった事は解ってるの。でも、その件はその件で話は聞くけど、今日は違うの」と言うと少し間を置いた。
そして「ハヌルの件は知ってるでしょ?」とチュンミの目を見て質問した。少し躊躇しながらチュンミは「金ハヌルさんの事で色々ある事は聞いてるわよ。関係してるのか解らないけど…仕事を受けないのよね。そりゃちょっと前に比べたら本数は減ったけど、いくつかの出演を依頼したのよ。でもキャンセルされるの。体調が悪くて…と言う理由なんだけど」
「でも、こう言う時ってもっと積極的に出演するもんじゃないんですか?」とジホが聞くと「そうなのよね。逆にもっと出してくれ!と言って来てもいい位なんだけど…」「仕事の依頼はしてるの?」「以前ほどではないけれど、してるわ」「ふ〜ん依頼はしてるか…こんな難しい時だからこそ積極的に出るべきなのに…」
ミスは「わかったわ、ありがとう。今度ご飯行こう。私が奢るわ」と言ってチュンミと別れてテレビ局を後にした。
(間違いなく何かあるわ…もしかしたら…)ここまで考えた後、ミスはジホに「28プロに行くわよ」と言って車に乗り込んだ。
続く
その逆玉御曹司が気になるな~💦 大物なのかな?セコイ野郎~
しかし、ハヌルの心境はいかに~😟
でも、ボスなら、そんなハヌルのことをすっぽり包んでくれると思うけどねっ
次回は、ボスの登場ですか?
んで? んで? それから? それから?