おかしな娘のオモロイ話(14)ー震災の記憶(下)

『日高屋』で食事を終えて父が学校へ戻ると、妹が待っていた。
妹:アッパも学校に泊まるんでしょ?
父:いや、オンマに車で迎えにきてもらう
そう言って携帯を取り出しオンマにメール。
父:“オンマ、迎えにきて”
母:“了解”
父:おぉ!迎えに来てくれるって…♪
母からの返信メールに安堵の様子。帰れるうれしさでいっぱいだった

1時間ほどしてオンマから2人にメールが来た。
母:“渋滞がすごすぎて、まだ1駅しか進んでない。遅くなるよ” 
妹:“オンマ、アッパもいるし全然ムリしなくていいからね” 
妹はそう返信した。一方で父の返信は…
父:“気を付けて来てね”

そのまた1時間後、母から三度目のメールが。
母:“渋滞し過ぎで一向に進まない。お迎えはムリかも”
妹:“今日は学校に泊まるから大丈夫”
一方で父:“なに?!そんなに渋滞してるの?気を付けて来てね。本・当・に気を付けて来・て・ね” 「必ず来い」という下心丸出しである。

更にその1時間後、母は迎えに行くことを断念した。
母:“ごめん。やっぱり今日はお迎えに行けない”
妹:“はーい。明日アッパと帰るから大丈夫~”
父からは返信が来ない。ショックだったのかな?しばらくして父から届いた返信は“わかった”の一言だった。

翌日。5人揃った食卓で妹と父の<長い1日>が語られた。
母:大変だったでしょう
妹:不安だったけど、みんなが一緒で心強かった。夜遅くまでいろんな話をしたんだよ
母:夜ご飯はどうしたの?
妹:先生たちがかき集めてくれたコンビニのおにぎりを食べた
母:アッパも?
父:アッパは日高屋でニラレバ定食を食べた
妹:はー?何で?
妹は、ただでさえ父が1人で帰ろうとしたと思い込んでいる。思春期の妹には父親の一挙一動のすべてが気にいらない。
妹:信じらんない!!先生たちが必死になって買い出ししてる時に、アッパだけラーメン屋に入ったの?それに、アッパ1人で帰ろうとしてたよね?ホント引く!!!
父:ち、ちがうよ。帰ろうとしたんじゃなくて、届けなきゃいけない書類が…
妹にズタボロに言われながら父はモゴモゴ弁解する。 震災2日目なのに、何だ?この平和なやり取りは…

夕食のニラレバ以外にも、<帰りたがり屋のアッパ>、<母への本当に来てねメール>など突っ込みどころ満載のアッパネタで震災の重い空気は明るい日常に変わっていた。震災の凄惨な状況を目にするたびに、この日常は当たり前ではないと思い知らされるわが家の震災の記憶である。

2 COMMENTS

A

最高のアッパさんですね~(笑)
オンマさん、ファイト~❣️笑笑
娘さん(妹ちゃん)、ドンマイです(笑)
でも私は、家族に囲まれて素敵な笑顔を浮かべるアッパさんの大ファンです。(笑)
朝から心がほっこりしました(^○^)💕
いつもと変わらない今日に感謝ですね🍀

俺も自分勝手

おもろいアボジやな~。自分勝手なアボジで大変そうだね、苦労するね(笑)

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