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【思い出】本当にあった怖い話-26

朝高生には各地元で通う喫茶店があった。Lは地元駅近くの「ゲート」がお気に入りで帰宅途中殆ど毎日通っていた。そこのナポリタンが美味しかったしジュークボックスもありタバコもおとがめなく吸えたから。

ナポリタンを調理しているのは日高生のアルバイト店員で名はヒロという。通ううちに調理者がヒロとわかり、学年も同じヤツが健気に働く姿に好感がもてた。Lらが行くと必ずナポリタンを大盛りにしてくれた。

ある日、ヒロは「Lさん、ちょっとお話があるんですが」と真顔で言ってきた。Lはヒロが手招きする席へ一人移動した。そしてヒロは「実は自分、もうすぐ暴走族を起ち上げるんですけど、なにぶん新参で非力なので、Lさんアタマはって下さい。お願いします。」と頭を下げた。

詳しく聞くと、構成員は30人位で始めると言う。Lが「バイクの免許がない俺がリーダーできる訳ないだろ。」と言うとヒロは「自分のバイクの後ろに乗って下さい。ここのバイトで貯めたカネでナナハン買いました。」と食い下がる。

必死の頼みを無碍むげに断れずLは「考えておく」と返事するしかなかった。Lは(18になる前に族のリーダーかぁ。)とまんざらでもなくその日から「〇〇の朝高生リーダー L!」の妄想にふける。

問題は族の活動時間が土日の深夜だった事。いくら考えても深夜に出掛ける言い訳が思い浮かばないのだった。

次の週はじめにLはゲートに立ち寄った。でもヒロが来ていない。他の店員に聞いても連絡がないと言うし、当然ナポリタンの味も量も変わってしまった。

それから2週間ほど過ぎたある日、ゲートにヒロの姿があった。Lらの来店を知るとヒロは嬉しそうに近寄ってきた。が、松葉杖だった。おまけに右ふくらはぎがいびつに曲がっていた。

ヒロは「Lさん、事故っちゃいました。族の結成も延期です。カネ貯めて足の手術しますので。」と照れ笑い。Lは気の毒にと思いながらも(あん時、返事してたら俺もヒロのバイクの後ろに乗ってたかも。そして、大怪我してヘタしたらカタワになるかもっとヤバかったかも)と人知れず胸を撫で下ろしていた。

天はLを見捨てなかったのだ⁉そしてLの朝高生活は続き、無事卒業を迎える。もちろんナポリタン目当てのゲート通いも続いた…

この話の推薦曲 カーペンターズの 〈トップ オブ ザ ワールド〉

1 COMMENT

セブンスターも🚬

暴走族ねぇぇ👀 やってみても面白かったんじゃないですか? 無責任だけど~💦
だけど、喫茶店のナポリタンってなんであんなに美味しんだろう💓
私の通学路では、十条の風月堂と、東十条までの細い道の演芸所の向かいあたりの2階に合った喫茶店💓名前が、、💦 あと、東十条の北口を過ぎて階段を降りたところの喫茶店💓ここも名前が出てこない💦 しかし、高校生の分際でショートホープなんか、良く吸ってたよね💦

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