初夏のうららかさを感じよう

【思い出】本当にあった怖い話-25

登下校時の電車の中での朝高生の行儀は決してよろしくはなかった。彼ら彼女らは都内や隣県のあらゆる電車を利用し、常に複数で朝鮮語と日本語が混ざった不思議な言語で会話し笑ってばかりいるのだ。

下校時のある電車内での事。
サラリーマンの帰宅時間と重なりいつもより混んでいたその電車にはKとF、Pの三人が乗っていた。座れないし漫画も読めない乗客の密度に彼らのイライラは募るばかりだ。

「混みヘソ テガリ オンダ」とか「アンコイッヌン ナムジャ サラム タウム エキで ネリラ」とか不満タラタラ。ストレスは乗車時間を余計に長く感じさせるだけなのを知らない年頃の彼らだ。

あと二駅で降りられるとKが思ったその時、Fが急にニヤニヤして指差す仕草をする。Pも指差す先を見た。彼らの傍らでつり革につかまっているOL女性の手首にミッキーマウスの腕時計がはめられていたのだ。

「イ ニョジャサラム いい年ヘソ おもちゃシゲ ハゴイッタ」とFが言うとKは「ほんとプクロッタ」 するとPは「多分 モリ モジャラダ。ミインなのに」と返し三人の嘲笑は止まらない。

OLはうるさい学生らに目もくれないし、表情も変えないまま。実は当時ディズニー時計はかなりレアで高価だったのを彼らは知る由もない。そして電車は彼らが降りる駅に着いた。彼らの去りゆく後ろ姿をガン見しながらOLは大きく溜息をついた。

次の日、彼らは同じ電車で登下校する女子のRに呼び出された。彼女は見るからに不機嫌な表情でこう怒鳴った。

「昨日、電車の中でアンタらがからかったのは私のオンニだよ!次は赦さないと伝えろってさ。」

彼らは言い訳できないし真っ青になった。そして何故か直立しRに「チャル モッテッスンニダ」と揃って頭を下げた。

イプ チョシム、 マル チョシムですね。

この話の推薦曲 アバの 〈SOS〉

2 COMMENTS

アイゴォォ~👀

日本語と朝鮮語のちゃんぽんは、朝高の特権だもんね~
でも、人の悪口は言っちゃだめだよ~💦
この特権は、今でも使うよね~👀 

あるあるですね。笑

学生時代、みんながやっていたよね。
ごちゃ混ぜウリマルの会話。www
懐かしくてクスッと笑ってしまいました。
作家さん、最高⤴️⤴️(^-^)/

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