末は大物?⑩

マー坊は平成生まれのくせに昭和のにおいがプンプンする子供。小さい頃からテレビゲームより新聞紙で拳銃や刀を作って遊ぶリアル遊びが好きだった。中学に入ってからも昭和っ子気は衰えを知らない。家族でディズニーランドに行っても、ほかの息子たちはアトラクションに大興奮なのにマー坊だけは退屈そう。

「ねえ、マー坊、夢の国はどうだった?」「パレードで白雪姫と目が合って手を振ってくれた(^^♪」そこ? これが中学生男子の答え?ってかアトラクションに興味はないんかい!マー坊は“与えられる楽しさ”が好きではないらしい。それよりは何かにチャレンジしたり、みんなで作り出すことに喜びを見出すタイプのようだ。

中学2年の時、地元で“NHKのど自慢”の公開録画が行われた。教育委員会の共催ということもあり、地元公立校の生徒たちも何名かエントリーされた。そこにマー坊の名前も入っていた。勉強は中の中で好きな科目は音楽。特別に歌がうまいというわけではなかったが、先生たちの働きかけもあって参加がかなったのだ。

根性だけは座っていて、物怖じしない性格が功を奏したのか、予選を難なく通過した彼は本選でも力を発揮し見事グランプリに輝いた。重ねて言っておくが、決して歌がうまいわけではない。そこそこうまかったとしても声変わりしたばかりの男子の歌声を想像してほしい。決して優勝できる代物でないことだけは確かである。

そう、運が良かったのだ。そして、優勝したもうひとつの理由は彼の性格にあるのだろう。司会者に何を聞かれても、もじもじすることなく楽しそうに話すマー坊。本当に生き生きして輝いていた。

それにしても、ディズニーランドよりNHKののど自慢のほうが楽しいなんて子供、ほかにいるのかな?