卒業の春…再会の準備を始めよう

지영이는 보았다 その10

その朝チヨンの気分は最悪、いや、怒り心頭だった。朝のワイドショーでは従軍慰安婦や徴用工問題を取り上げ、コメンテーターが歴史修正的な発言を展開するし、局アナもそれを助長するような質問ばかりしているのだ。挙げ句の果てに豊臣秀吉の朝鮮侵略まで正当化し、日帝時代は良い事も沢山行ったなどと声高に叫んだりする始末。

가게 ママの誘いを断ろうとしていたが「おかげで」気が変わった。
(화풀이 술이나 마셔야지!)…

土曜の夜、가게に入ると客はいなかった。ママと酒を酌み交わしながら、チヨンは朝の鬱憤をぶちまける。意外にもママは嫌がりもせず、時に丁寧に意見も述べた。ヘイトの件では、在日コリアンの苦労や差別に抗いながら、健気に生活を紡いできた事などを話してくれた。

話は総聯系の人々にも及んだ。彼等の強みは朝鮮学校にあって、そこでの絆は凄いモノがある事も教えてくれた。特に年配の方々の学生時代は映画の〈친구〉が色あせるぐらいの、それはもう戦争のようなケンカの毎日だったと、前にここで会ったおっさんらが正にその当事者だと言いながら笑った。チヨンもつられて笑ってしまう。

その時、ドアがゆっくり開き「ママ、3人で来たよ〜。」の声。チヨンも振り向く。3人の中に로영주がいた。

「あれっ、박さんだよね。久しぶり〜」と로。
自然な笑みで会釈を返すチヨン。写真でも会ってるせいか緊張はなく、気楽でさえあった。로は「俺の친구たちだから、気を遣わないでご一緒しよう」と言ってきた。ママに促されながらチヨンも席についた。

彼女はお客さんだから、失礼がないようにとママが念を押す。
「와타시와 김재광, 이이 후도상야시떼마수.」
「(재미없다. 인간아) 하지메마씨떼.」
「난 홍창영이라 하오. 박동무 만나서 반갑소. 자 악수.」
「(됐거든)예, 안녕하세요.」
(때린다 씨〇)と思いながら握手はした。

「박さんはいくつ?」
「비밀인데요.」
「足のサイズ聞いただけなのに残念。ハハハ」
「(아〜죽이고 싶다) 재밌어요.」

ママが話してくれたさっきのイイ話を帳消しするようなつまんなさだ!
チヨンの偶然のセカンドコンタクトはどうなるやら……

          続く

3 COMMENTS

H

面白い展開ですね😊ちなみに、足のサイズを聞いてチヨンにころされかけたのは良いふどうさんやさんの方ですよね?ホン家にそんな失礼な人はいませんもんね~💕あ、小説の話しですよ❗🤣

鉄人28

6話以降続けて読みましたが、爆笑あるのみです。
しかし、実在する人の名前をちょっとかえ(ロさんの写真まで掲載)、日常ありえそうな事柄をコミカルに描く、作者と”その一味”。
今後の展開が、怖く心配するのは私だけ?!笑

匿名

チヨンの心の声が面白すぎる~‼️(>_<)作者は男性?女性?それとも中性かな??笑笑

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