지영이는 보았다 その6

日曜日の昼前にチヨンは深い眠りから目覚めた。夢もみない久々な快眠なので気分も良かった。でも、腹筋辺りが張っているのに気付く。昨晩の宴で笑いすぎたせいだ。

起きたらシリアルを飲むように食べる普段とは違い、この日はトーストを焼きスクランブルエッグも調理して、ブランチと洒落込んだ。食べながら彼女は昨日の出来事を思い起こし、情報分析員のクセで頭の中にメモをする。

ユミに対しては符に落ちない〈Why〉（何故）が２つあった。
１つはユミの突然の連絡と再会。嬉しくて楽しかったが、なぜ来たのかいまいちスッキリしない。

そしてもう１つはチヨンの家に泊まらず「지영 또 보자.　연락할게.」と言い残して、ママとタクシーで去ってしまったことだ。ユミに連絡すれば済むことだと流した。次は店長だが気立てが良く、ほほ笑みを絶やさい。おっさんたちへの対処と接待もソツがなかった。店長らしい。

さて、おっさん４人組。
突然笑いが込み上げ、チヨンは口の中のモノを吐き出してしまった。

確か「모이자 아침의 나라에서」 のカラオケ曲が始まった時だった。김が右手に箸を持って突然立ち上がり、足踏みを始める。箸を目の前に立てたかと思うとサッと右下に振り降ろし、いきなり足を９０度近く上げながら行進しだした。すると他のおっさんも김の後から両脇をギュッと締めながら足上げ行進でついて行く。

テレビや資料映像で観た北の軍事パレード！おっさんたちの真剣ぶった表情と、ハァハァしながら行進する姿は面白すぎた。 次は「지금 광장에는 평양시민들이 지나갑니다.」の解説があり、泣きそうな表情で両手を上げ、回し振りながら「만세ㅡ 만세ㅡ」と繰り返す。로と조は飛び跳ねていたっけ …

そしておっさんたちは「また会えたらイイね」と言いながら終電前にサッサと退散した。チヨンたちの支払いもサクッと済ませてたのでイカしてるし。

頭のメモ作業は当然メチャクチャだ。その日、チヨンは昨夜の〈ディープインパクト〉のせいで思い出し笑いを繰り返した。またおっさんたちと飲みたいと心底思った。

しかし明日からまた現実に戻る……

　　　続く