卒業の春…再会の準備を始めよう

지영이는 보았다(第3弾)その11

年明けから事態は激しく動き、そして意外な方向へと飛び火する。
担当上司と年初のブリーフィングを終えた後、チヨンは激しく怒っていた。チヨンの経過報告を聞いた上司は「사또와 연길의 건은 넘기고 辛을 파고 조총련의 돈줄을 추적하는데 집중하라」と語った。

功名心に目が眩んだ輩だから、延吉の件を横取りして出世の糧にするつもりなんだろう。チヨンがプッツンしたのはその後の言葉だ。

「松山는 쓸모가 있다. 그자에게 딱 붙어서 정보를 빼와. 여자의 무기를 쓰든지, 필요하면 결혼해서 영구적으로 정보를 가져올수도 있고…」

それはつまりチヨンの工作活動の範囲を限定し、それ以上は求めるなという事だ。スパイのキャリアに対するゴールを宣告されたに等しいから、チヨンは納得できないし怒り狂っているのだ…

松山は悩んでいた。ハナとの度重なる接触とその会話から、彼女の正体が垣間見えたからだ。総聯系同胞の財務内容に対する興味は尋常ではないし、辛や佐藤に対する関心は執拗とさえ思える。(彼女は何らかのスパイ活動をしているのか!?)

あの男に頼まれた芝居とリンクさせると自ずと答えが出てしまう。松山はハナがスパイで、その目的が総聯関係の資金や北との繋がりを探る事だと判断した。ハナの目先をそらそうと佐藤の件を餌に使ったのだ。でも、そのせいでハナが窮地に至らないかと心配でならない。ハナが傷付いてほしくないし、スパイなど辞めてほしい!

去年のクリスマスの夜の出来事も松山を苦しめる。ハナは明らかに〈プム〉に홍の友人と来たあの男を好いている。でも男はハナにつれなかった。(ハナさんを悲しませる様な態度は許せない!)

何とかあんな男と引き剥がせないかと憤りながらも、ハナに対する想いは更に熱く燃え上がる…

東北の김はクリスマスの夜に見たハナの同伴客が気になっていた。영주が홍창영の知人と言っていたのを聞き漏らした訳ではない。嫉妬させる相手だから当然だ。

年末年始を通じて彼は로や홍と連絡を取り、同伴客のことを聞きまくった。多くのことが分かった。その仕事を聞くにつけ김はおぼろげながらみえて来たモノがある。

それにしても、ハナを見るあの客の目は恋慕の情に溢れてたような……

          続く