三多摩の在日同胞が歩んできた約80年の歴史の中で、一日として平和な時代はあっただろうか。2010年1月にいわゆる「高校無償化法案」が閣議決定され、同年4月から公立高校が無償化されると共に、私立高校や外国人学校等を含めた「高校と同等」と見なされる各種学校の生徒に支援がなされることが決定しました。しかし朝鮮学校だけは保留されました。
2012年12月には安倍内閣が誕生。安倍内閣は発足早々に「北朝鮮の指導下にある朝鮮総聯との結びつきがある」ことを理由に、朝鮮学校を無償化の対象から除外しました。
高校無償化法案の目的に照らすならば、朝鮮学校がその対象に含まれるのは当然であり、法的にも人権尊重の見地からもそれを除外する合理的理由はありません。それにも関わらず依然として無償化反対論が根強いのはなぜなのでしょうか。
その根底には朝鮮学校、ひいては在日コリアンに対する無知や偏見、誤解がまだ根強く残っていることにあります。また子供の人権・子供が学ぶ権利を尊重し、守るという法律についての理解が十分なされていないという点にも問題があります。
そうした困難にも耐えて、励まし合って朝鮮学校を守り育ててきた、同胞たちや先人たちの歩んできた苦難な道を、これからは世代を超えて私たちまた子供たちが継承していくことが急務となっています。
その戦いはまだ長期間続きます。在日の輝かしい未来に向かって、みなさん力を合わせて頑張りましょう。
写真は「西東京朝鮮第1初中級学校創立70周年記念写真集」から抜粋