バブル時代の不動産業① パ〇パン社員

某団体のお仕事を卒業して俺が選んだ道は不動産業だ。東京近郊の仲介業の中でも一攫千金を狙うツワモノたちが集う某不動産会社に勤務することになった。そこはJR〇〇駅徒歩1分。大手の不動産会社には当然入れないが、中小だけど有名な不動産業者だ。

営業だけでも30人ほど、全6課体制で、課長、車両担当、受付の女子、事務担当の女子、経理担当、そしてそれを率いる店長と、総勢50名ほどの会社である。名前を言えばすぐに分かる老舗デパートの6階に位置する、そんな不動産屋の門をたたいた。応接室は豪華絢爛でお客様が10組ぐらいは入れる広々としたスペース。お客様を案内する車も白のマークⅡ、もちろん全てリース契約だけどね。不動産も景気が良かった時代だから、初心者の俺は面食らったな。

そこでは毎日のように朝礼があり、その後は車両の点検清掃、会社内の清掃、その後業務となる。そこで教わったことは、〈経過は大事、でも結果がすべて〉の世界だった。結果を出せばすべてが許される、そんな社風だった。今月契約するまたは契約予定がある社員と、契約がまだ取れてない社員の待遇が180度違うんだ。

不動産業界には隠語というものがあって、契約できない社員のことを「パイパン社員」と呼んだ。月末に近づくと決まって課長がやって来て「〇〇君、今月はどうだ、契約の見込みは…?」と聞いてくる。「いや~今月の予定ないんですけど…。」と答えると決まって「今月はパイパンか~」と。

営業室の正面に各課の売り上げグラフと各社員の氏名が掲示板のように大きく貼ってあるんだけど、契約した社員には特別な大きな赤いバラを店長自ら壁に付けて、終礼時には「〇〇君、物件成約おめでとー」と契約した社員を褒めたたえる。一方で「この社員の中にはまだパイパン社員が〇名います」と契約予定のない社員の肩をたたいてプレッシャーをかけてくる。こうして新入社員の地獄の1か月が過ぎていく。

注:良い子は決してウィキペディアで意味を調べるなよ

2 COMMENTS

H

パイパン、気になる。でもパイパンさんが調べるなと言うので調べません。パイパンさんの奮闘記連載、楽しみにしてます⤴️🤭

悪い子

悪い事とは知りながらウィキペディアで調べてしまいました⚡️✨💥💦そんな意味だったんですねー💦💨恥ずかしいー

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