春のうららかさを感じよう

3年12班の愉快な面々 1

時は1977年、昭和も終盤に向かう時期。舞台は東京都北区十条台にある東京朝鮮中高級学校。

この学校は男女共学でありながら教室も階も別で、男女の接点が極めて低い校風であった。しかし時代の流れか、父母の間からは「異性との付き合い方もこの時期から学ばなくては」「折角同じ学校で学ぶのに別々は不自然だ」等々の意見が出て、学校側としてもその声を無視出来なくなっていた。

そこで苦肉の策として、男女共学のクラスを一つ作ってそれをモデルケースとして、試験的に実施すると言う結論を出した。

それが3年12班。(体育の授業はどうするの?とか細かい事で作者をイジメない)

勿論初めての試みなので少人数制でクラスは28人。男女比率も5対5の14人対14人。編成も出身校に関わりなく平均的に振り分けられ、真面目な子や不真面目な子、勉強する子や苦手な子、部活をする子やしない子と普通のクラスと同じ様に構成された。

4月1日、入学式及び始業式の日。各学年のクラス表の前には、毎年の事ながら人だかりが出来ていた。
しかし高3の中からは「な、何だこれ?」「間違いじゃないの?」「何で共学?」と言う、驚きと叫びにも似た声が上がった。

「さあさあ、早く教室に上がりなさい。」と言う先生の声に急かされ、おのおの教室に上がって行った。Hソンは「12班か〜」と溜息をついて教室に向かった。

「Hソン、何お前12班だって?ハハハ」去年まで同じクラスだったMスが笑いながら話しかけて来た。「何なんだろう?共学って…するなら全部の班をすれば良いのに…」と、戸惑いと怒りが混ざった感情を口にした。

「いいじゃないか〜、女子と同じクラスだぜ。羨ましいな〜」
「お前、全然羨ましそうじゃないぞ!」とふざけながら階段を上がった。
「じゃあな」とMスは3階で別れた。

「4階か…」

4階に上がったHソンは戸惑った。(何?女子だらけじゃん)
廊下はチョゴリが占領していた。
(どうする?…え〜い、ままよ!)
Hソンは廊下を歩いて行った。

ヒソヒソ話する声が聞こえて来る。「12班の子よ~。何か嫌よね〜同じ階に男子がいるなんて…」(俺も思ってるよ!クソッ!)と思いながら教室を探すが…(あ、クソ〜、一番奥じゃん!)

12班の教室は4階の一番校門寄りにあった。

4 COMMENTS

そして~?そして~?

これ本当の話?作り話じゃないの? 確か共学は商業班だけだと記憶してるけど💦👀
我々の5つか6つ上に、一時試験的に共学のクラスにしたと言う伝説があるけど、異性を意識してまともな生徒になると思ったけど、案の定、逆に風紀が乱れて、べたべたイチャイチャだったと聞いたことがある~👂
で、この12班の話は、続きがあるんですよね~👀聞きたいなぁ~

古典的名作?

懐かしや、懐かしや!
作家とイラストさんの渾身のスマホ小説ですね😄
思い出します笑笑

独り言

この物語を読んだら…
急に…
同窓会ブログがとても懐かしくなり
心が5年前にタイムスリップしたみたい。
もう見れないとわかっているけど…
とても残念です。(>_<)

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