初夏のうららかさを感じよう

北朝鮮の「国防5か年計画」とは?

日本から見れば北朝鮮という国は何を考えてるかわからない不気味な国で、やたらめったらミサイルを発射する、とても危ない国だという印象が強いと思う。

だが、シンプルに考えると非常にわかりやすい。いま北朝鮮がやってることは2021年の朝鮮労働党第8回大会において提示された「国防5カ年計画」の目標にのっとって、着々とその課題を達成するために邁進していると考えるのが自然である。

北朝鮮は、核・ミサイル開発に拍車をかける「国防5か年計画」を、朝鮮労働党創立80年の再来年までに実現すべく突き進んでいる。

では、金正恩総書記が国防力強化のため、おととし1月の党大会で打ち出した「国防5か年計画」とはどのような内容なのか。

  • 核技術のさらなる高度化
  • 核兵器の小型・軽量化、戦術兵器化のさらなる発展
  • 超大型核弾頭の生産の持続的な推進
  • 15,000km射程圏内の任意の戦略的諸対象を正確に打撃する命中率のさらなる向上、核先制及び報復打撃力の高度化
  • 近い期間内の「極超音速滑空飛行弾頭」の開発、導入
  • 水中及び地上固体エンジン大陸間弾道ミサイル開発事業の推進
  • 原子力潜水艦と水中発射核戦略兵器の保有
  • 近い期間内の軍事偵察衛星の運用
  • 500km前方の縦深まで偵察可能な無人偵察機をはじめとする諸偵察手段の開発

などが盛り込まれている。

北朝鮮の軍事目標は、抑止力として重視してきた戦略核だけでなく、先制核使用を想定した実戦配備へとシフトしている。では、2年半余りがたって折り返しを過ぎた計画はどこまで達成されているのか。

北朝鮮は去年以降、アメリカ全土を射程におさめる可能性がある新型の弾道ミサイルなどの発射を、「実験」や「訓練」と称して異例の頻度で実施、多様な新型兵器を次々と登場させてきた。

一方、実戦配備に向けては道半ばと言わざるを得ない部分が少なくない。たとえば「火星17型・18型」は、飛行距離や速度だけ見ればICBM級だが、弾頭を大気圏に再突入させる技術の確立は確認されていないと見ている。戦術核兵器も、肝心の小型化・軽量化された弾頭の開発には、7回目の核実験が不可欠だという見方が有力だ。

今年3月に公開された戦術核弾頭とみられる物体が完成形なのか、未完成なのかも不明だ。超大型核弾頭の開発もベールに包まれている。

さらに北朝鮮の自前の技術力だけでは難しい「高い壁」があるのも事実だ。その最たるものが、3回の打ち上げてやっと成功した軍事偵察衛星や、「設計・研究は完了した」と主張する原子力潜水艦だ。

ただ、ここにきて北朝鮮を後押しする「変化」が現れた。ロシアによる軍事技術供与の可能性だ。

金正恩総書記は、9月12日からおよそ1週間、専用列車で4年ぶりにロシア極東を訪問した。先端技術が集まる宇宙基地でプーチン大統領と会談し、戦略的協力の強化で一致。戦闘機などを製造する工場やロシア海軍の太平洋艦隊などを視察した。

同行者には、北朝鮮軍の元帥、国防相、海軍と空軍の司令官、党で兵器生産を統括する軍需工業部長らが顔をそろえ、軍事分野に重きを置いたことは一目瞭然だ。

今回のロシア訪問で「所期の目的を達成した」と評価している北朝鮮。「国防経済事業」と呼ばれる武器輸出への意欲もにじませている。砲弾などの提供と引き換えに、ロシアから何らかの軍事協力を得られる可能性が出てきたとして、計画達成に自信を深めているように見える。

軍事大国のロシアは、北朝鮮にとって手に入れたい先端技術が数多くあるのも確かだ。さらに国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアは今後、北朝鮮を擁護する姿勢を一段と強める構えだ。

「今後ロシアとの関係を最も重視していく」という金正恩総書記の発言どおりロシアへの傾斜を強めれば、もう一つの後ろ盾である中国との関係が微妙になることも予想される。経済面を中心とした中国一辺倒のリスクを回避したい思惑もあるとみられる北朝鮮。中国の反対を承知で7回目の核実験を強行する可能性も高くなるかもしれない。

北朝鮮は今後、ロシアからすぐれた技術力の恩恵を受けるだけでなく、敵対するアメリカと現時点でどう向き合おうとしているのか。それは金正恩総書記の意向を受けた妹・金与正氏の談話に表れている。 

  • アメリカが言う「前提条件のない対話」は荒唐無稽こうとうむけいだと断言。
  • 「非核化」は古語辞典で探すべき言葉だとして核の放棄を改めて否定した上で、
  • アメリカが拡大抑止体制を強化するほど、われわれを交渉から遠ざけるだけ、
  • 現在最も適切な手だては、十分な実力行使でアメリカの強権と専横を抑止することだ

と主張している。

来年1月で40歳になるとみられる金正恩総書記。今後数十年間、政権を率いる可能性があり、将来再開されるであろう対米交渉を見据えて、あくまで長期戦の構えだ。

「国防5か年計画」の最終年は、党創立80年となる再来年だ。この節目に金正恩総書記は、自らの業績として核・ミサイル開発の進展を大々的に印象づけたいところで、当面は軍事力の強化に突き進むとみられる。

2 COMMENTS

米は調子に乗るなよ~🤦‍♂️

なるほどねぇ~👀
北は北なりに思惑があるんですね~👀
そしていずれは平和が訪れるのかな? ♬わたし~ いのってま~す~♬🙌

ジュエはまだ小学生

写真をみて喜んでる姿はまるで子供だね。
正直、もう勝手にやってくださいという感じ…。

現在コメントは受け付けておりません。