窓の外を眺めながら…

韓進グループの創建者 ―趙重勲

付言―財閥に対する肯定と否定の見解

私的企業団体である財閥が、一国の経済に大きな影響を及ぼす例は、世界に間々見られることであるが、韓国経済においては、それが可成大きなことが問題となる。

戦前の日本の財閥は敗戦の結果、戦犯国として特殊な状況のもとで、一旦は解体されることになったが、その後はそれぞれ生長をつづけている。

アメリカでは百年前から財閥が国家の経済に大きな影響を及ぼしていたが、相続過程を通じて所有と経営が分離して行き、専門経営人体制が確立して、家族中心に所有され経営された財閥の姿は失われて行ったのである。韓国は極度の血縁中心の社会とはいえ、緩やかな速度ではあろうが、アメリカ資本主義が歩んだ過程をたどって行くと思われる。

さて、その過程の中で財閥の子孫も代を重ね、今は二世を父親として、三世が財閥を世襲している例が多く、肯定と否定のさまざまな議論をよび起こしている。

まず、財閥に対する肯定的意見として要約されるのは

肯定的意見

①高度成長の牽引車
韓国経済において高度成長を保証するのは輸出と投資であるが、国内市場だけでは充分な需用を作り出すことができず、外国市場への進出と、そのための輸出主導戦略が必要であった。輸出と投資を主導して来たのは財閥であったのは、まぎれもない事実である。

②産業高度化の先駆者
韓国経済は、農業から軽工業へ、そして重化学工業へと産業構造を変化させながら高度成長を達成して来たが、この進化過程において先駆者の役割を遂行した企業は財閥であった。財閥が産業構造を高度化するに当たって先導的役割をはたしたのだ。

③効率性の開拓者
企業は独占力を利用して販売価格を上げたり、効率性を増加させて生産費を下げ、更に高い利潤を確保することができる。したがって企業は独占力確保と効率性の向上のため絶えず努力する。とくに公的企業が惰性的に生産活動を行う傾向があるに反して、私的企業である財閥は効率性を高めるため絶えざる努力をして来たのである。

④企業家精神の模範
韓国財閥史においては、財閥創始者たちは企業家精神をだれもが重要視するのである。これは危険(risk)に対する挑戦と、その危険を克服し目的を達成する能力を意味する。韓国財閥の創始者たちは条件の劣悪な状況の中で事業の先頭に立ち、先の見えない事業に果敢に挑戦して財閥を築き、その業績を認められてきた。そして、その力の源泉として企業家精神が強調されて、世間もそれを認めているのである。

次に、財閥に対する否定的意見を見ることにしよう。

否定的意見

①経済力集中の深化
財閥問題の核心は、財閥による過度の経済的集中である。これは大財閥が国家の経済に占める比重があまりにも高く、かれらがその力を乱用することができ、それにより市場経済が健全に作用できなくなるという本質的な問題である。市場は力の分散を前提としており、分散した力の利己的行動が互いの調和を保ち、市場参加者に等しく、均衡のある市場経済の恵みを分配する目標を達成しようとするのである。

しかし、財閥の市場の独占が過大になれば、経済は健全に作用できず、市場活動の成果も公平に分配できなくなる。これは、韓国の財閥中心の経済体制が持つ根本問題となるのだ。

②独寡占の深化
財閥は多くの系列企業を従えており、系列企業の多くは自己の市場で独寡占的地位を確保しているし、その地位をさらに強化しようとする。このような企業は商品市場では販売者として独寡占的地位をさらに強化するであろう。そして原料、部品、資本、労働力などの生産要素市場では購買者として独寡占的地位を確保している。したがって商品市場では高価で販売することができ、労働市場および資本市場では低賃金でかつ低利で労働力と資本の供給を受けることができ、原料や部品市場では極めて低い価格で入手できることになる。このような独寡占的な地位が財閥を成立させ、その勢いを拡大する主要な源泉であった。

財閥が独寡占的地位により多くの恩恵を受ければ、国民はそれだけ被害を受けざるを得ないのである。さらに部品とか原料を供給する中小下請業者たちも安く買いたたかれる納品価格により被害を受けるのだ。

③皇帝経営と経営権の世襲
皇帝式経営とは、会長(総帥)の私意に基づく経営の不透明性の問題である。それは専門家の牽制を受けることのない経営権の乱用を意味する。このような状況の中では、会長は公的な会社より私益を優先する経営に走りがちである。そして会社の資材を私的に転用することも躊躇ためらわない。小額株主の利益を無視して、会長とその家族の利益のために、たとえ法に背くことでも実行されるのだ。このため殆どすべての財閥では、非資金(裏金)事件が起き、起訴される事件がひんぱつするのだ。

皇帝経営が可能なのは、会長が大株主の持分を確保し、その地位を世襲させているためである。そしてそれは韓国的企業文化によるのだ。韓国では、いかなる組織であっても最高権力者にへつらう分化が行き渡っており、したがって専門経営人の立場がなくなる。

経営の家族化と世襲経営も皇帝経営の一形態である。財閥の会長はあらゆる手段を動員して所有の持分を継承させ、経営権を世襲させる。会長の家族は不法または便法的な手段を動員しても、大株主の地位を継続させ、経営権を世襲させるのだ。これが財閥式経営の本質なのである。

④経営透明性の問題
韓国財閥のしつ(こり固まった悪い癖)の一つは、粉飾会計と裏金の問題である。裏金を作るために粉飾会計が必要となる。これは経営の不透明性によるものである。これはまた会長の皇帝経営によるものでもある。財閥企業には会長の勝手な経営権を牽制する手立てがない。たとえ、それがあっても作動しないのである。会長に無条件に忠誠をつくす後進的企業文化が原因である。また裏金が権力者の買収や、さまざまな私利のために活用されることは、よく世間の知るところである。

⑤労資の葛藤と分配の歪曲
財閥における労資関係は、1987年の民主化以前には、労働組合が禁止されていた条件の下で、正常なものと言えない状況であった。そして1987年後も、財閥は労働活動を認めることにけち臭(吝嗇)かった。このため過激な労資間のふんきゅうが絶え間なく起こり、国家の経済に大きな損失をもたらし、労資紛糾は極限状況にまで至るのであった。

1989年の「現代重工業」の労働組合のスト闘争は労働者家族、市民、警察が市街戦を展開する状況となり、軍隊さえ動員されて強制解散される局面に至った。「現代自動車」は1987年、労組結成以来20余年間、例年行事としてストが行われた。その外の財閥も大小の闘争的労資関係が持続したのである。

労資関係は所得分配に直結している。労働所得と資本所得の比率が所得分配のバロメーターであるが、労資関係の状況によって、この比率は大きく変動する。

したがって財閥は労資の葛藤を解消し、分配の歪曲を正常化する重要な責任を負わねばならない。

財閥の労資関係と、彼らによる土地をはじめとする不動産投機は、わが国の所得分配と富の分配に否定的に作用したとされている。すなわち公平な分配に逆行するものであった。この結果、韓国社会は民衆の貧困が構造化される階級的社会となったという主張さえ提起されているのである。

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4 COMMENTS

眠い💤

はじめと最後のページだけ読みました。🤭
あとは、夜です。

サッカーで寝不足だから朝の時間足りません‼️がんばれアルゼンチン❗

財閥って、そもそも~

バカだね~💦 実にバカ💦👀 一年くらい大韓航空のトイレ掃除でもやらしたら良いのに~💦 無給で!! もう見せしめだぁ~ バカ女🤦‍♂️
先代の「私の教育が間違った!」と言ってるけど、この女の素養のもんなんじゃない?
最後に、世襲の肯定意見と否定意見とあるけど、まずは、その人の適性はどうなのかを見極めないと~👀 でも、難しいかな?
先代の輝かしい功績に、まさに泥を塗っちゃったね😞 あ~あ💦

✈️

読みました。コンパクトにまとめられてはいましたが、創始者の運と努力と時代で財閥になり得たのだと理解しました。

ナッツ姫のその後が気になり検索してみました。夫にDV を訴えられ離婚したそうです。真相は分かりませんが、子どもの頃から本気で叱ってくれる人に恵まれなかったのかな~と思いました。

ザ・ピーナッツ

「ナッツ姫」事件のすぐ後に飛行機のエンジンが燃える事故がありました。
その記事のコメントが笑えました。エンジン火災の原因は「エンジンにナッツが詰まったんじゃね!?」。

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