春のうららかさを感じよう

【投稿】「アガシ」と「和菓子」

昔から「韓国クラブ」のホステスさんを「アガシ(아가시)」と呼んでいた。

時は80年代なかば、バブル景気真っ只中。焼肉屋を営む兄の店での出来事である。この日も店は満員御礼。奥の座敷では、朝高時代の先輩後輩たち7〜8名のグループが、飲めや食えやの大騒ぎ。「二次会どこ行くか?」と先輩。

早く二次会に行きたがってた後輩がすぐに反応。「兄さん兄さん。焼肉とキムチ食べたら、なんかアガシが欲しくなっちゃうんですよね。」と。その時、店の手伝いに来ていたオモニが他の客のテーブルを片付け、空いた皿を持ってグループの横を通る。

その会話が耳に入ったオモニは足を止めて「そうそう、焼肉の後は欲しくなっちゃうのよね〜」。「えっ?」先輩後輩たちの目が点…。

つづけてオモニ「焼肉の後は甘い物が欲しくなっちゃうのよ」「えーっ?!」と後輩たち・・・

「やっぱり和菓子(ワガシ)よねー、焼肉のあとの和菓子!よく合うのよ〜」
一同大笑い。なぜみんな笑ってるのか気にもとめずに、そそくさと厨房へ戻るオモニ。

アガシ」と「和菓子」。響きが似てると言えば似てますが…。うちのオモニ、昔から甘いものが大好きでしたから聞き間違えたんだろうなぁ。後日、お店に来た後輩が「兄さん、あの日、韓国クラブ行ったんですけど、アガシ和菓子の話で大盛り上がりでしたよ!〇〇先輩なんか店のアガシをずーっとワガシ、ワガシって呼ぶんですから・・・」

今でも、和菓子を食べるたびに思い出しては、ひとり笑う。

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