春のうららかさを感じよう

初の同胞市民ミュージカル「埼玉やきとり物語」

2018年1月、埼玉にある<彩の国さいたま芸術劇場>で在日の歴史上、初の同胞ミュージカルが開催されました。埼玉の一般同胞たちがプロ顔負けの演技を披露し、同胞たちや日本人に感動を与えました。

舞台は1990年代の埼玉県東松山市。東松山は日本でも有数のやきとりのメッカ。この地域のやきとりは<鶏>ではなく<豚>を使った、一般で言う<やきとん>なんです。しかし、ここでは<やきとん>ではなく<やきとり>と呼びます。<やきとん>と注文したら店主に叱られるという話も。

東松山のやきとりの歴史は戦後にさかのぼります。日本全体が貧しくて食べる物もなかった時代、豚のカシラは食べる物とされず捨てられていました。それをもったいなく思った1人の在日同胞が捨てられた豚のカシラを焼いてコチュジャンを付けて食べたところ、それはそれはおいしくてお店を構えるまでになりました。そして、そのレシピを周囲の日本の人たちにも伝授して、ついには東松山市の名物料理になったそうです。

このミュージカルは、若くして逝った夫の代わりにやきとりの本家である<オンへ屋>を切り盛りする母とウリハッキョに通う娘、そして毎日訪れる客たちの姿を通して同胞社会の温かさを描いた作品です。

朝鮮半島の情勢やヘイトスピーチによって同胞社会が先細りし縮小している中、演出家はこの作品で<同胞社会、まだまだ捨てたもんじゃないよ>ということをアピールしたかったそうです。この作品は在日同胞をはじめ共和国や韓国でも評価を受けました。

(上映時間 1時間21分)

1 COMMENT

匿名

在日の私たちが日本でミュージカルをしてたなんて知りませんでした。初めは「やきとり物語」というタイトルに少し違和感がありましたが、内容を観て納得しました。素晴らしいミュージカルですね、わが在日の誇りです☺

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