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【投稿】放火事件を乗り越え「平和祈念館」がオープン

京都府宇治市の「ウトロ地区」は、戦前「京都飛行場建設」のためにあつめられた在日朝鮮人労働者たちで形成された集落です。この地に4月30日、「ウトロ平和祈念館」がオープンしました。

植民地時代、大日本帝国政府はウトロ地区に「京都飛行場」を計画します。1939年から飛行場建設のためにあつめられた労働者は約2000人、そのうち1300人が朝鮮人労働者だったと言われています。

解放後、飛行場工事が中断すると、朝鮮人労働者の多くが帰国を希望しました。しかし南北のイデオロギーの対決や、その後の済州島4.3事件、続く朝鮮戦争の混乱によって、帰国できない人が増えていったのです。

日本政府からの保障がない中で、ここでとどまることを決意した同胞たちは、飯場だった一角に自らの手で住まいや学校など、生活基盤を作り上げていきます。上下水道が整備されず、大雨が降ると床上浸水するなど、地域の発展から取り残されていたものの、同胞が住んでいることを理由に引っ越してくる在日同胞もいたと聞きます。

土地が転売され「不法占拠者」に

戦後、土地を所有していた「日産車体」は土地を売却、1987年に土地を買い受けた第三者が不動産会社に転売し、この会社が住民たちに立ち退きを迫りました。その際、無理やり住民を追い出そうとしたことから訴訟となり、敗訴した住民は、不法占拠とされてしまいました。2000年に最高裁で住民の敗訴が決まりました。

政府や地方自治体に対する請願や要望は無視され続きますが、10年以上におよぶ裁判と住民を守る市民運動が韓国に伝わると、2005年、韓国でウトロ問題を解決しようという「ウトロ国際対策会議」が結成されます。

韓国の俳優や、韓流スターたちがウトロに関心を示したことも話題になり、廬武鉉政権下の2007年に、ウトロの土地を購入するため30億ウォンを支援することが国会で決まりました。この決定は李明博政権以降も引き継がれ、日本の民間基金財団が2011年、韓国政府財団が2012年に土地を購入。2018年にようやく市営住宅1棟が完成しました。

続く偏見と差別

2021年8月30日、ウトロ地区の一角が放火され、住宅や倉庫など5棟が全焼、2棟が半焼しました。犯行におよんだ男性は「朝鮮人が嫌いだった」と供述したといいます。

この男性は非現住建造物等放火の罪で起訴され、2018年にも奈良県大和高田市の民団支部に火を付けようとして書類送検されたものの、こちらは不起訴になっています。


2007年に建設が計画され、15年を経てようやく完成した平和祈念館は3階建てで、1階はコミュニティスペース、2階と3階が展示場になっています。

2階には生活用品や床上浸水していたころの住宅の再現などの常設展示が並び、3階は企画展が催される予定です。

60世帯約100人の住民はすでに市営住宅に移ったり、新たに建つ住宅に引っ越すことになっています。今も残る古びた建物がある場所は、地権者によって再開発される予定です。「スラム」と呼ばれたウトロの景色は近いうちに完全に姿を消してしまいます。

写真はウトロ平和祈念館HPから

【投稿】ヘイトは無くならないのか

1 COMMENT

ウトロ???

行った事無かったですが、大変な地域ですね😓勝手に連れて来られて、がむしゃらに働かせられて、必要無くなったら、出て行けと😢
どんだけ身勝手なんだろうね🫵

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