金正恩氏はなぜ圧力を強めているのか 度重なるミサイル発射や警告射撃

北朝鮮をめぐる緊張は高まったり弱まったりを繰り返している。しかし、朝鮮半島情勢は現在、過去5年間で最も不安定な状態にあり、今後さらに悪化する可能性が高くなっている。

画像は発射実験を見守る金正恩朝鮮労働党総書記

北朝鮮はこの1カ月間、複数の弾道ミサイルを発射するなど、敵対的かつ挑発的な行為を行ってきた。ミサイルの1発は日本上空を通過し、住民が避難を余儀なくされる事態となった。北朝鮮はさらに韓国との国境近くまで戦闘機を飛ばしたほか、海に向けて砲弾数百発を発射。海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線付近に着弾させた。朝鮮戦争は1953年の休戦協定をもって戦闘が終了したが、平和条約が交わされていないため韓国と北朝鮮は法的にはまだ戦争状態にある。

24日には北朝鮮の商船が北方限界線を越えたため、韓国軍が警告射撃を行った。北朝鮮側もこれに対して警告射撃を行ったと発表した。韓国は北朝鮮が意図的に北方限界線を侵犯したと主張している。

では、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は一体何をしているのだろうか。北朝鮮がミサイルを発射する理由は3つある。兵器技術の実験と改良、世界(主にアメリカ)に対する政治的メッセージの発信、そして自国民に感銘を与えて政権への忠誠を高めることだ。

北朝鮮政府の行動がどの目的にあたるのかを読み解くのは難しいかもしれない。しかし今回は、金氏はその目的を明確にしている。北朝鮮国営メディアは、直近の発射実験や訓練はアメリカや韓国、日本による軍事演習への反応であると、何度か報じている。北朝鮮は敵国が緊張をエスカレートさせていると非難し、敵国はそうした行為をやめるべきだと明確に警告するためにミサイルを発射したとしている。

アメリカ、韓国、日本の各政府はこの2カ月間、北朝鮮の核攻撃に備えていることを示すため、大規模な軍事演習を個々に、そして合同でも実施してきた。これが金氏の反感を買っていることはほぼ間違いないだろう。金氏は常に、そうした軍事演習について、敵が北朝鮮を侵略することを想定して行っているものと考えている。そもそも北朝鮮が核兵器開発に着手したのは、他国からの侵略を阻止するためだった。

しかし、北朝鮮がいま圧力を強めているのには、それほど明確な理由はない。より挑発的な実験、つまり5年ぶり7回目の核実験あるいは韓国への小規模な攻撃に向けた地固めをしているのかもしれない。

「注目を必要とする」金氏

金氏は昨年、5カ年計画を発表し、開発を計画しているすべての新兵器を詳述した。その中には戦場用の小型核爆弾や、それを搭載できる短距離ミサイルも含まれていた。最近行われた複数の実験は、金氏が兵器の希望リストに沿って行動しているだけでなく、これらの兵器を実際に扱えるよう部隊を訓練していることを示す証拠と言える。9月下旬から10月にかけて実施した一連のミサイル発射実験は韓国への核攻撃のシミュレーションだったと、国営メディアは伝えている。

金氏はいま注目を必要としている。自分が核開発でどれだけ前進したのか世界が気付けば、いつか自国に対する厳しい国際的な制裁を解除してもらえるかもしれないと考えている。制裁は核開発を阻止するために発動されたが、その目的を果たせていない。それでも、北朝鮮経済には打撃を与えている。

こうした制裁の緩和を目指した協議は長らく停滞しており、北朝鮮は世界的な議題からも外れている。世界はウクライナでの戦争や権威主義的な中国の台頭のほうに、はるかに大きな関心を寄せているからだ。アメリカのジョー・バイデン大統領は、北朝鮮がすべての核兵器の放棄に同意しなければ制裁を緩和しないとの姿勢を崩していない。

こうした中、米韓両政府は北朝鮮政府が非常に嫌う軍事演習を実施。朝鮮半島の防衛を強化し、北朝鮮の挑発に武力で対応することで合意している。直近の北朝鮮のミサイル発射などを受け、韓国は自軍の戦闘機を発進させ、砲撃を行った。

「核保有国」のように振舞う

金氏がアメリカとの交渉を自分にとってより有利な条件で進めるには、北朝鮮がどれだけ危険な国へと変化したのかを証明しなければならない。金氏は9月、北朝鮮は核兵器保有国だと公式に宣言。この決定は「不可逆的」だとし、非核化交渉の可能性を排除した。

韓国国防省の元顧問キム・ジョンデ氏は、北朝鮮は自信に満ちた態度で主張するようになったようだとし、そのことを自分たちは懸念すべきだと述べた。北朝鮮はかつては米軍の軍事演習が終わるのを待ってから報復行動を取っていたが、今回は演習中に海に向けて砲撃を行ったと、キム氏は指摘した。

「このような大胆さや攻撃性はこれまでに見たことがなく、異質だ。北朝鮮は核保有国であるかのように振る舞っている」

米韓両政府は、北朝鮮が7回目の核実験の準備を終えて政治的な好機をうかがっているとみている。中国の共産党大会が閉幕し、アメリカの中間選挙が近づく中、その時は訪れつつある。

一方の韓国は、今月末から11月上旬にかけて、米軍との合同軍事演習を予定している。金氏が待ちわびていた口実を与えることになるかもしれない。

記事はBBCニュースJAPANから

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2 COMMENTS

38線なんかいらない~👍

大国アメリカに対抗するには、この手段しかないんだろうね👀💦
アメリカも、少しは大人になって、優しくしてほしいよね~ 上から圧力だけじゃなくて
人のことにあまり干渉せずに、自分の足元を見ろよ!アメリカ~👀 経済がたがた~💦
しかし、早く朝鮮半島にも平和が訪れないかな? 28が生きてるうちに、良い景色みたいよねぇ~😘

1,000kの上空は宇宙だよ

BBCですか。
西側からの見方ですね。
日本はその手の情報ばかりが溢れているのでしょうがないとは思いますが…

まぁ、言いたい事は沢山ありますが、ウリナラは世界一の軍事大国と未だに戦争状態だと言う事、その国が毎年目と鼻の先で軍事演習を行なっていると言う事、嫌でも対抗しなければシリアやリビアの様になると言う事…
あと付け加えるならば「挑発」はいつも米国が仕掛けて来ると言う事をわかって欲しいですね。

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