「余程の事がない限り」進級できるのが当時の朝高だった。Cは「余程の事」のスレスレだったが、彼も無事高3になった。
最高学年になるとある程度の落ち着きも体得するものだしCもそうだった。彼は3年の1学期の半ばぐらいから進路をどうするか悩み始める。継ぐほどの家業なんてないし、特にやりたい事もない。
では進学なのか?今の学力状態ではかなり難しい。いっこうに答えが出ない日々が続く。そんな時、彼は二年間一緒に過ごした一つ上の先輩達に思いを馳せる。
一つ上は年が近くてギクシャクするモノだが、Cは同じ中学出身の先輩とは仲が良く可愛がってもらった。(あの先輩は卒業証書もらえなかったし、あの先輩は朝銀であの先輩は家に入ったはず。あの先輩は朝大だったなぁ。)
そうこう思い起こしているうちにある先輩の事が気になってくる。同じ中学出身ではなかったが、しょっちゅうCの地元先輩に連れられ遊びに来てたし、蛇腹との喧嘩やパーティーやモーニングもご一緒したS先輩の事だ。彼は卒業後どうしているんだろう?自分の事はさておき(多分ろくな人生歩んでないよな)と思ったりもする…
Cが親や担任とも相談して出した進路は朝鮮大学校への進学だった。
動機は不明だ。同級生は「お前が朝大?無理無理。」とか「ありえない!」とからかうし、担任も「今のままじゃ朝大の試験受からないぞ。」と手厳しい。学力は地道な努力あってこそ身につく位はCも分かっていた。でも決めたらそれに立ち向かうしかないのだ…
そして3学期がきた。朝大の入学試験に向かう集団の中にはCの姿もあった。それなりに準備はしたつもりだが試験に対する不安を拭えない。
朝大に着いて中に入ろうとした時、Cは校門の受付にいるとても懐かしい顔を見た。そう、あのS先輩だった。SもCだと気づき微笑んだ。CはSに挨拶しこう聞いた。「先輩、朝大の警備員の仕事をしてたんですか?」と。質問の意図が分からないSは怪訝な表情でこう答えた。
「エッ、俺は朝大生だよ。知らなかったのか。」ビックリ仰天するCに「お前が朝大志望とはな」とSは爆笑していた。
Cは強烈に嬉しかった。
それは、再会の喜びではなく(あの人が朝大に入れたんなら俺も余裕かも⁉ いや、絶対大丈夫だ!)という根拠のない自信が込み上げたから。
彼はその気持ちのまま試験に臨んだ。そして、これまたどういう訳か分からないがCは 4月から晴れて? 朝大生になった。
この話の推薦曲 カーリー サイモンの 〈アンティシペイション〉
こういう朝高時代にやんちゃしてたやつが、良い先生になったりするんだよね~👀
朝大あるあるの話じゃないの?
と言うことは、朝大は、人生矯正施設なのかな? ケイム〇〇と一緒?💦
朝大入って良かったね。あと4年遊べるもんね🤭「青春」て意味ですよ。大学は青春する場所だと思っているので。朝大生活は大変そうだけど、やっぱり青春だよな~。
政経学部?ばんざーい🤣