【投稿】百貨店の閉店

子供の頃、オモニに連れられてよく新宿へ買い物に行った。私のハラボジが新宿でニ号さんと一緒に住んでいたことにも関係しているが、季節の変わり目に新宿の「伊勢丹百貨店」へ行くのが楽しみだった。

「百貨店」とは辞書で引くと、「デパート」の改まった言い方だとあるが、私の中でばデパートよりも百貨店という響きにありがたみを感じる。

三越、大丸、伊勢丹といった呉服屋さん由来の歴史の長い百貨店。東武や西武といった鉄道会社由来の百貨店。同じデパートであることには変わりはないが「百貨店」という感じの持つパワーなのか「デパート」よりも重厚感を感じる。

しかしそう感じるのも私のような年代までなのか、最近ではあまり百貨店とかデパートという言葉を聞かなくなった。それもそのはず、どちらも日本の至るところで消滅しているのだ。 

特に県庁所在地の駅前にドーンと構える百貨店は消え、車文化の地方都市では、郊外にあるショッピングモールが経済的にも気軽に行けるとあって、その代役を担ってきている。駅からは遠いが、駐車場もたくさんあるし最高だ。

しかしどこのショッピングモールでも、似たようなものばかり。外国のブランドメーカーや、有名どころの店舗ばかりだ。 少し味気なさを感じるのは私だけであろうか。

ワタシ的には、百貨店＞デパート＞モール的な格付けだと思っていたが、３つとも結局は同じらしい。

と、こんなことを言ってるうちに、家の近所のイトーヨーカドーも、この秋に撤退するというニュースが飛び込んできた。多種多様な商品を陳列し販売する大規模の小売店や百貨店が、どんどんなくなりつつある。

デパートも百貨店も、もう比喩として使われる日が近づいてきているように思う。