春のうららかさを感じよう

【思い出】本当にあった怖い話-6

朝高の2年生、Fルの通学とは殆どが雀球(パチンコ)場通いだ。なので彼はその時まで蛇腹との喧嘩や団体戦とは無縁だった。たまに一人遅刻して学校に行く事もあるが蛇腹と遭遇した経験はない。

ある晩、彼にSジから電話があった。
「今日新宿駅で大乱闘があったから、明日の小田急線はヤバイぞ。時間ずらすか休むかした方がいいぞ。」「そうなの?まっ、関係ねえよ。」

友達の忠告を他人事のように聞き流すFルだ。彼にとって蛇腹との争いはその時までは絵空事であった。

あくる日、彼は何と定時通学になる小田急線に乗った。忠告通り仲間は誰も来ていなかったが、彼女であるRソがいたのでデート通学と洒落込んだ……

「いたぞー!」
新宿到着と同時に鳴り響く怒鳴り声。蛇腹集団の急襲だ。

殴られ蹴られ倒され、降りた小田急線の電車に再び引きずられそうになる。蛇腹はFルを拉致しようとした。救ったのはRソだった。彼女は身を呈して必死にFルをかばい、傷つきながらも拐われそうになる彼を離さなかった。

蛇腹は意気揚々と立ち去った。満身創痍のFルを抱き起こした時、Rソは仰天した。Fルの革靴の片方がなかったのだった……。

その夜FルはSジに電話し朝の出来事を知らせた後こう言った。「これからはみんなと一緒に学校行くし、つるむよ。」それはFるの『集団主義精神』の芽生えだったかも❓ 

この話の推薦曲 スタイリスティックスの〈誓い〉  (続く)

1 COMMENT

喧嘩両成敗〜👌

通学もデートも命がけだね🤣
やれやれ〜怖い時代だね😅

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