春のうららかさを感じよう

介護のジカンー姑編⑰

姑の友人たちが病院にお見舞いに来た。昔、姑が元気だった頃に一緒に活動をしていたメンバーである。姑の同世代は既に亡くなった方も多いが、姑がかわいがっていた後輩たちがお見舞いに来てくれたのだ。後輩といっても私より遥かにご年配の方々である。

姑が引っ越してきてからは連絡が途絶えていたが、義弟から入院していると聞き、わざわざ訪ねてきてくれたのだった。姑は花が大好きだったのでピンクのバラを持ってきてくださった。

病室でしばらく談笑する。昔の思い出話に花が咲いている。姑は始終笑いながら話している。本人は分かっているのだろうか?でも、いつもと違って応対ははっきりしている。話の輪にも入っているようだ。当時の思い出が言葉を蘇らせたのかな?人一倍しっかりしていた、往年の姑を見ているようだった。だが、姑の話を聞いていると、全部「そうなのよ」「あれがね、これがね」「そうそう」と言っているだけだった。やはり外面なのか。

姑の友人たちを入口まで見送ると、帰りがけに姑の古くからの友人が私に喝を入れた。
友人:〇〇顧問がボケたって聞いてたけど、全然ボケてないじゃないの
私:今日は調子がいいみたいで
友人:며느리が시어머니をボケ扱いしたらダメでしょ。あんた、誰のおかげで結婚できたと思ってるんだ?
私:はぁ。
友人:長男の嫁なんだから、しっかりしなさい
私:はい…
姑の友人たちが嵐のように去っていった。

(やっぱり嫁はいつも悪者か~。別に頑張ってるわけじゃないけど、なんかモヤモヤ~)そんなことを考えながら病室に戻ると、あれ?バラがない。花瓶には枝だけが残っていて…花がないのだ!

も、もしかして…
案の定、姑がバラの花を食べてしまったのである。