初夏のうららかさを感じよう

【投稿】動物園の中の彫刻園

東京都には上野、井の頭、多摩の 3つの動物園がある。井の頭公園の中にある自然文化園は、上野に続いて二番目に古い動物園だ。アジアゾウの花子はもう死んでしまったが、 動物園の中の飼育展示を充実させる試みは、今も続いている。

ここには長崎にある平和祈念像と同じものがある。原型だから同じ大きさなのだが、長崎と違って室内に収まり、その分、人の目につかずあまり知られていない。長崎の平和祈念像は、井の頭公園、それも動物園の中で作られた。

爆心地に平和公園の建設を決めた長崎市は、彫刻家であり長崎出身の北村西望きたむら せいぼうに記念碑の制作を依頼する。しかし彼の作品には、軍人の騎馬像の作品が多かったので、反対意見も多かったと聞く。問題は原爆による死没者の追悼碑が、男性の裸体像で表現されたこと、長崎市は女性像を期待していたらしいので反対意見もあり、紆余曲折があったという。

東京都は祈念像の製作の場として、井の頭自然文化園の一角を北村西望に提供し、ここに西望せいぼうはアトリエを建て、そこで寝起きして四年間製作にいそしんだ。1954年に原型が完成すると、すぐに鋳造に取り掛かり、翌年の平和祈念式典の前日に除幕式が執り行われた。原爆投下から10年目の夏の日だった。

その後、アトリエと原型及び試作品の全てが東京都に寄贈され、ここ自然文化園の彫刻園として公開され、今に至っている。

祈念像の右手は原爆を示し、左は平和を、顔は戦争犠牲者の冥福を祈る人類を超越した人間、時に仏であり、時に神を表しているという。

アトリエは、ついさっきまで西望が製作に取り組んでいたかのように当時の雰囲気をよく残している。廃材を用いて作った像が壁面を飾り、これまた仏像の飛天のようでもある。

現在、彫刻園と周辺の動物園には、北村西望の作品約500点が所蔵されている。機会があれば是非、寄ってみてくれ。

2 COMMENTS

外人さんがモデルなの?

すごいね~👀 こどもの表情がはっきりとわかる~👀
昔小学生の頃、図工の時間に、初めて彫刻刀をもらった時は、色んなものを削って遊んでいたけど、指を切ってケガしてからは、怖くなった💦
しかし、この平和祈念像は何を意味しているんかな? 筋肉粒々でパーマ頭は、日本人に見えないんだけど~👀

今度行ってみようと

井之頭動物園の中に彫刻園があるなんて知らなかった。
学生時代は良く彼女と井之頭公園行った思い出しかなかった。

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